(※写真はイメージです/PIXTA)

子や孫の進学に際して、祖父母がお祝いだけでなく学費の一部を援助することもあります。喜んでもらいたい、将来の役に立ちたいという気持ちからのお金でも、そこに家族とのつながりへの期待が重なることもあるでしょう。援助をする側が、思い描いていたその後との違いに気づくケースもあります。

「勝手に期待していたんです」半年後、祖母が感じた寂しさ

菜々さんは大学の授業に加えて、サークルやアルバイトを始めました。裕美さんも仕事があり、家族それぞれの予定が増えていきます。

 

ある休日、智子さんが「菜々は元気?」とメッセージを送ると、裕美さんから「元気だよ。最近忙しいみたい」と返ってきました。それ自体は、ごく普通のやり取りです。それでも智子さんは、少し寂しく感じたそうです。

 

「大学に入ったら、一緒にご飯でも食べに行けるかなとか、大学の話を聞かせてもらえるかなとか。勝手に想像していたんですよね」

 

100万円を渡したとき、菜々さんから何か見返りを求めたつもりはありません。それでも振り返ると、「役に立てば、以前より家族のなかに自分の居場所ができるのではないか」という期待が、自分のなかにあったことに気づきました。

 

秋になり、久しぶりに菜々さんが遊びに来た際、智子さんは「大学どう?」と尋ねました。

 

「楽しいよ。でも課題が多くて、けっこう忙しい」

 

スマートフォンに入っている大学の写真を見せながら話す孫は、以前と何も変わっていませんでした。智子さんは後になって、こう振り返ります。

 

「100万円を出したことは後悔していません。必要なときに役に立てたのはうれしいです。でも、学費を出しても、私の心まで満たされるわけではなかったんですよね」

 

その後、智子さんは「何かしてあげなければ」と考えることを少しやめました。

 

菜々さんから連絡がなければ裕美さんを通じて様子を聞き、都合が合えば食事に誘います。誕生日にはこれまで通りお祝いをしますが、家族との関係を保つために大きなお金を使う必要はないと考えるようになりました。

 

子や孫への援助は、その人の進学や生活を支えることはできます。しかし、援助額が大きいほど会える時間が増えたり、関係が深まったりするとは限りません。

 

誰かのためにお金を使うときには、「相手のため」と思う気持ちのなかに、自分自身の期待が含まれていないかを考えてみることも大切なのかもしれません。

 

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