「もう一度、引っ越そうと思う」〈年金月18万円・貯蓄2,300万円〉75歳女性、駅近マンションに住み替えて6年…それでも“終の住処”にならなかった理由

「もう一度、引っ越そうと思う」〈年金月18万円・貯蓄2,300万円〉75歳女性、駅近マンションに住み替えて6年…それでも“終の住処”にならなかった理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

年齢を重ねてからの住み替えでは、駅やスーパー、病院への近さを重視する人もいるでしょう。しかし、実際に暮らしてみなければ分からないこともあります。一度は「ここなら老後も安心」と選んだ住まいでも、年齢や暮らし方が変われば、自分にとって必要な条件が変化することがあります。

75歳で変わった住まいの条件

和子さんが見学したマンションは、今より少し狭い2LDKでした。駅からの距離は現在の家と大きく変わりません。それでも和子さんが目を留めたのは、別の部分でした。

 

共用のラウンジがあり、定期的に体操や趣味の集まりが開かれています。フロントにはスタッフがおり、緊急時に利用できる設備もありました。

 

もちろん、そうした設備やサービスがあれば孤立しないとは限りません。管理費なども現在より高くなるため、資金面の確認も必要です。

 

和子さんの年金収入は月約18万円、金融資産は約2,300万円。現在のマンションを売却した資金も住み替えに充てることができます。

 

そのため、由佳さんと一緒に購入費だけでなく、管理費や修繕積立金などを含めて、今後の支出を計算することにしました。

 

「今の家に住めないわけじゃないんだよね?」

 

由佳さんが尋ねると、和子さんはうなずきました。

 

「住めるよ。買い物にも困らないし、病院も近い。でも、便利だから十分だと思ってたの」

 

内閣府の同調査では、普段の主な外出目的として「近所のスーパーや商店での買い物」が80.4%、「通院」が69.9%を占めています。また、普段の交通手段では「徒歩」が50.1%で最も多く、「自分で運転する自動車」の46.6%を上回りました。年代が高くなるほど、自分で運転する自動車を利用する割合は低くなる傾向も示されています。

 

高齢期の住まいでは、買い物や通院、移動のしやすさは重要な条件です。しかし、それだけで住み続ける場所が決まるわけではありません。

 

和子さんは、すぐに現在のマンションを売却するのではなく、候補となる物件を何度か訪れました。昼間だけでなく夕方にも周辺を歩き、共用施設が実際にどの程度利用されているのかも確認しました。

 

「以前は、とにかく車がなくても暮らせることが一番だった。でも今は、もう少し人の気配があるところがいいなと思うの」

 

6年前の住み替えが間違っていたわけではありません。当時の和子さんに必要だった条件と、75歳になった現在、これからの暮らしに求める条件が変わったのです。

 

住まいに求めるものは、年齢や身体状況、日々の過ごし方によって変化します。一度住み替えたからといって、そこを必ず「終の住処」にする必要はありません。ただし、再度の購入には諸費用もかかり、住み替え先の管理費などが将来の家計を圧迫する可能性もあります。

 

「最後の引っ越しになるかは分からない。でも、今の私が暮らしたい場所を選びたい」

 

和子さんはそう話し、二度目の住み替えを検討しています。

 

【関連記事】

■月20万円もらえるはずが…45歳・サラリーマン「ねんきん定期便」に抱いた違和感。「年金ルール」知らずにそのまま20年…65歳で受け取ることになる年金額に唖然「何かの間違いでは?」

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧