(※写真はイメージです/PIXTA)

夫を亡くし、ひとり暮らしになった79歳の母。遠方で暮らす息子は母の「大丈夫よ」という言葉を信じていました。ところが、夏の連休に久しぶりに帰省した息子は、母の変わり果てた様子に絶句します。10ヵ月の間に起きていた“異変”とは?

「もっと早く帰っていれば」…母と一緒に始めた“家計の整理”

事情を知った亮介さんは、なぜもっと早く帰らなかったのかと、後悔しました。

 

「大丈夫」と言い続けていた言葉の裏には、「心配をかけたくない」という母心があった。来ようと思えば来れたのに、母の言葉を楽観的に受け止めていたことに気づいたのです。

 

「よし、母さん。毎月いくら入ってきて、いくら出ていくのか一緒に整理してみようか」

 

そう言って、母の通帳や請求書などを一つずつ確認していきました。まず不要な保険を解約し、通信契約も見直すことに。そして、食費は3万円、光熱費は1.5万円、医療費は1万円、日用品は5,000円など、年金の範囲内に収められるよう、予算を立てました。

 

「予算が決まっていれば、そのなかで頑張ろうと思えるわね。……なんとかやっていけるかしら」

 

母は少しだけ表情を和らげました。

 

さらに、地域包括支援センターや年金事務所にも相談し、現在受け取っている年金の内容や、利用できる制度について確認しました。そのなかで知ったのが「年金生活者支援給付金」です。

 

年金生活者支援給付金は、所得が一定基準以下の年金受給者を対象に、年金に上乗せして支給されるもの。老齢年金生活者支援給付金の場合、65歳以上で老齢基礎年金を受給し、世帯全員が住民税非課税であることなどが主な要件です。

 

「少しでも使える制度があるなら、ちゃんと調べてみよう」

 

亮介さんは母と一緒に確認しながら、一つずつ手続きを進めていくことにしました。

 

それでも、きっと母は我慢してしまうこともある。貯金が減ることを恐れて、病院に行くのを迷ったりすることもあるかもしれない――。そう感じた亮介さんは、母が住み慣れた家で暮らし続けられるよう、毎月数万円の仕送りすることに決めました。

 

そして、以前よりこまめに連絡を取り、3ヵ月に一度は帰省することを約束したのです。

 

「電話では元気そうだったので、安心してしまっていました。もっと早く帰っていれば、と思います」

 

亮介さんはそう振り返ります。

 

親は、子どもに心配をかけたくないという思いから、「大丈夫」と言うことがあります。直接様子を見れたらベストですが、仕事や距離などの事情で頻繁に帰省できない人もいるでしょう。その場合は、自治体の相談窓口などを頼るという方法もあります。すべてを家族だけで抱え込む必要はありません。

 

「大丈夫」という言葉の裏で、親がひとりで不安を抱えていないか。生活費や年金のことも含め、元気なうちから話せる関係をつくっておくことが、離れて暮らす親を守るための備えになるのかもしれません。

 

 

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