英国はEUを離脱して何が変わった?金融と税制から見る「ブレグジット」の現在地【国際税務の専門家が解説】

英国はEUを離脱して何が変わった?金融と税制から見る「ブレグジット」の現在地【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

英国がEUを離脱してから、2026年で6年が経ちました。2016年の国民投票で離脱が決まった当時は、英国経済の低迷やロンドンの金融街「シティ」の地位低下を懸念する声が相次ぎました。また、英国を欧州ビジネスの拠点としてきた日系企業にとっても、EU市場へのアクセスや事業拠点の見直しを迫られる大きな転機となりました。一方、EU法の影響を受けてきた英国の税制にも変化が生じています。EU離脱によって英国は何を得て、何を失ったのでしょうか。金融と税制、さらに海外領土との関係から、離脱後の英国について、矢内一好氏が解説します。

税制に関する英国のポジション

英国はこれまで、欧州司法裁判所(ECJ)における税務訴訟において、英国国内法(タックスヘイブン対策税制、グループリリーフ制度など)の適用がEU条約に反するとの判断を示された事案がありました。

 

税制面だけを見れば、EU離脱によって、英国は今後こうした干渉を受けることがなくなります。また、ECJにおいて英国が敗訴した金融取引税(ドイツ、フランスなどが課税を主張)についても、英国はその適用を免れることになります。

 

この金融取引税は、経済力では英国より上位にあるドイツが、金融面では英国に後れを取っていることを背景にドイツが提唱したもので、株式や債券、デリバティブなどの金融取引に低い税率を課すという内容です。ドイツはフランスなどとともにEUでの導入を強く後押ししましたが、これに対しては、ドイツによる英国の金融取引への規制であるとの批判もありました。
 

 

矢内 一好

国際課税研究所

首席研究員

 

 

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