高市早苗首相が掲げた「食料品の消費税2年間ゼロ」と「給付付き税額控除の導入」は、いつ頃から政策として形成されたのでしょうか。報道では、それぞれの政策が現在の形になるまでの経緯について、十分な検証は見当たりません。高市首相自身の「悲願」ともいえる食料品の消費税ゼロと、過去の政権でも検討されてきた給付付き税額控除。その2つの政策のルーツを、9月に『食料品消費税1% 減税×給付付き税額控除の真実』を出版した矢内一好氏が解説します。
給付付き税額控除は福田政権時代から検討
給付付き税額控除は、消費税の逆進性を緩和するなどの目的で、福田康夫政権(任期:2007年9月26日~2008年9月24日)の頃に検討されました。
その後、民主党政権下では主たる政策となったことから、自民党の安倍内閣時代には関心が薄れました。しかし、石破政権では、野党との協調路線から、再度この政策が浮上しました。
このように、給付付き税額控除については、高市政権になって初めて登場した政策ではなく、過去の政権から議論されてきた経緯があります。
社会保障国民会議で調整が難航
社会保障国民会議の実務者会議では、食料品の消費税減税に関して、参加した各党の意見の調整が難航しました。その結果、2026年7月には、食料品の消費税を1%に減税する案を答申するとともに、それ以外の各党の意見を両論併記しました。
中間取りまとめ後の2026年8月5日に閣議決定があり、2027年4月以降は食料品の消費税率を1%とし、1%分を給付によって還元すること、2029年4月以降は給付付き税額控除を導入することが決定しました。
国際課税研究所首席研究員 博士(会計学)。
中央大学大学院商学研究科修士課程修了。昭和50年東京国税局に勤務、平成2年退職。産能短期大学助教授、日本大学商学部助教授、教授を経て平成14年中央大学商学部教授(平成30年退職)。税務大学校講師、専修大学商学研究科非常勤講師、慶應義塾大学法学研究科非常勤講師、新潟産業大学経済学部非常勤講師、武蔵大学経済学部非常勤講師を歴任。
著書に『国際課税と租税条約』(ぎょうせい、第1回租税資料館賞受賞)、『租税条約の論点』(中央経済社、第26回日本公認会計士協会学術賞)、『移転価格税制の理論』(中央経済社) 、『詳解日米租税条約』(中央経済社)など。
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