「減額特例」適用対象外の宅地とは?
吉田課長「減額特例を受けられない具体例を教えてください」
たとえば、次のような宅地等は、減額特例を受けることはできません。
① 宅地等の上に建物や構築物が無く宅地等だけを賃貸する場合の宅地等
② 個人所有のビルの空き部屋に対応する宅地等
吉田課長「建物の敷地は直感でわかりますが、構築物の敷地というのは?」
平成17年12月16日の国税不服審判所の裁決が参考になります。
審査請求人(納税者)は、減額特例を受けることについて、「甲土地は、平成5年8月1日に整地工事、通路舗装およびフェンス等の設置を行い駐車場として賃貸している」と主張しました。
これに対し、国税不服審判所は、次の①~⑤の事実を指摘して、「構築物の敷地の用に供されている宅地等」に該当しない旨の裁決をしました。
① アスファルト舗装、金属製パイプを組み合わせたフェンスや看板はあるが、建造物はない。
② アスファルト舗装は土地全体の面積の8%にとどまっている。
③ 金属製パイプを組み合わせたフェンスや看板は構造が簡易で、撤去は容易にできる。
④ 駐車場施設を整備する際に、駐車スペースの整地と砂利を敷設していることは認められる。
⑤ しかし、本件相続開始時では、その砂利は地中に埋没し、土地の一部と見られる状態になっている。
この裁決事例から学ぶことは、駐車場を経営する場合は、アスファルト舗装をしっかり行ない、「構築物の敷地の用に供されている宅地等」であることをはっきりさせておく、ということです。
相続税額がゼロの場合も、相続税申告義務が発生
吉田課長「減額特例の適用を受けるための手続きは?」
減額特例を受けることで相続税額がゼロの場合であっても、相続税の申告をする必要があります。
また、減額特例を受ける場合は、相続税が大幅に減額されるので、手続きが厳格になっています。相続税の申告書を提出するとともに、遺言書や遺産分割協議書の写し、相続人全員の印鑑証明書や事業や居住の要件を満たすための証明書類の提出が必要となります。
多田 雄司
税理士
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