USMCA見直しの現状
USMCAは、上記3カ国の貿易ルールを決めた協定で、NAFTAに代わって、2020年に発効しました。
USMCAは、6年ごとの見直しが決められており、2026年7月1日に初回の共同見直し会合が行われましたが、米国は現行の形での延長に同意していません。
米国側は、対メキシコおよびカナダとの貿易赤字を不満としています。なお、見直しにおける米国の不同意が協定廃止とはなりません。
ここで重要なのは、3カ国が見直しに合意できなかったからといって、直ちにUSMCAが失効するわけではないという点です。協定では、共同見直しで合意できなかった場合にも、一定の手続きに従って協定の存続について判断する仕組みが設けられています。
米国は、メキシコやカナダとの貿易赤字に加え、域外から北米市場へ流入する製品や部品についても問題視しており、USMCAを利用して米国市場にアクセスする企業や国に対する原産地規則などの要件を厳格化する可能性があります。
日本企業に求められる対応
米国は、自国企業のために締結した協定が他国に利用されていることを防止するため、利用者に対するハードルを上げる作業を進めています。
見直しの内容次第では、日本企業は、これまでのサプライチェーンの仕組みの修正を必要とすることになるでしょう。
日本の自動車メーカーや部品メーカー、電機・機械メーカーなどは、メキシコやカナダに生産拠点を設け、そこから米国市場へ製品を輸出するサプライチェーンを構築しています。
USMCAの見直しによって、域外企業による協定の利用に対する要件が厳しくなれば、こうした日本企業の生産・調達体制にも影響が及ぶ可能性があります。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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