「AIやロボットに仕事を奪われる」——そう不安に思う方は多いのではないでしょうか。しかし経済産業研究所(RIETI)の最新研究は、この常識を覆します。約1,600社の企業データを分析した結果、ロボット投資が10%増えると売上は2.7%、雇用も1%増加することが判明したのです。なぜ機械化が進むほど雇用が増えるのか、その仕組みを公認会計士の岸田康雄氏が解説します。
なぜロボット導入企業は成長できたのか?
ロボット導入による最大のメリットは、生産性の向上です。
たとえば、これまで人間が行っていた単純作業をロボットに任せることで、24時間稼働が可能になります。ミスも減少し、品質が安定します。
さらに、作業速度も向上するため、同じ時間でより多くの商品を生産できるようになります。
この変化は、企業の利益構造を大きく改善します。生産コストが下がれば、価格競争力が高まります。また、高品質化によって顧客満足度も向上します。それによって企業の売上が伸び、市場シェアが拡大していくのです。
ここで重要なのは、雇用増加には「1〜3年程度のタイムラグ」が存在することです。
RIETIの研究でも、ロボット導入直後には総労働者数が減少せず、導入から1〜3年後になって労働者数・売上高が有意に増加するという結果が示されています。
ロボットを導入した直後に人が増えるわけではありません。
まずは生産性向上によって企業業績が改善し、その後に事業拡大が起こります。そして最後に、新たな人材需要が生まれるのです。
つまり、短期的には業務効率化が進みますが、中長期的には企業成長によって雇用が増えていく構造になっています。この視点は、AI時代の働き方を考える上でも非常に重要です。
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
平成28年度経済産業省中小企業庁「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継とM&A実務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業承継コンサルティング業務を提供している。
WEBサイト https://kinyu-chukai.com/
著者登壇セミナー:https://kamehameha.jp/speakerslist?speakersid=142
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