「孫はかわいい。でも、毎週はつらい」初めて伝えた本音
きっかけは、友人との食事の予定を断ったことでした。1ヵ月前から決めていた予定でしたが、当日の朝、真紀さんから「下の子が少し熱っぽくて、今日は預かってもらえない?」と連絡が入ったのです。
由美子さんは友人へキャンセルの連絡をしました。その夜、正雄さんから、
「そこまで全部引き受けなくてもいいんじゃないか」
と言われました。
由美子さん自身も、同じことを感じ始めていました。
「孫はかわいいよ。でも、最近は電話が鳴ると『またお願いかな』って思うことがある」
口にしてみると、自分でも驚いたといいます。
内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』によると、60歳以上で仕事や趣味、地域活動など何らかの社会的活動を継続している人は61.4%。高齢期にも、家族との時間だけでなく、それぞれの仕事や趣味、交友関係を持って暮らしている人は少なくありません。
数日後、由美子さんは真紀さんに話しました。
「これからは、毎週何日も預かるのは難しいかな」
真紀さんは意外そうでした。
「そんなに大変だった? いつも『いいよ』って言ってくれてたから」
「私も最初は平気だったの。でも回数が増えて、私たちの予定を後回しにすることが多くなったのよ」
親子で話し合い、祖父母が迎えを担当するのは原則週1回にしました。それ以外は真紀さん夫婦が勤務を調整し、必要な場合はファミリー・サポート・センターなどの利用も検討します。急な依頼についても、「予定があれば断っていい」とあらためて確認しました。
その後も孫たちは祖父母宅へ遊びに来ています。
ただ、以前のように「預かるために会う」日ばかりではありません。夫婦が予定のない休日に自分たちから孫を誘うこともあります。
「会う回数は減ったけれど、そのほうが『今日は何しようか』って楽しみにできるようになりました」
祖父母による子育ての支援は、共働き世帯にとって大きな助けになります。一方、一度引き受けたからといって、同じ頻度で続けられるとは限りません。年齢や体調だけでなく、祖父母自身の予定や暮らし方も変わっていきます。
頼む側には「無理なら断ってくれるだろう」という感覚があっても、断りにくい場合があります。無理が積み重なる前に、どこまでなら引き受けられるのかを確認しておくことが、孫との時間を負担にしないためにも大切です。
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