「お前には1円も渡さない」…お盆の実家、静まり返る食卓。〈1億2,000万円でFIRE〉を目指す34歳会社員、父を凍り付かせた「まさかの一言」

「お前には1円も渡さない」…お盆の実家、静まり返る食卓。〈1億2,000万円でFIRE〉を目指す34歳会社員、父を凍り付かせた「まさかの一言」
(※写真はイメージです/PIXTA)

投資熱が高まるなか、FIREを目指し、「1日でも早く、1円でも多く資産を増やしたい」と考える人も少なくありません。新NISAのスタートで投資がより身近になり、SNSには若くして大きな資産を築いた「FIRE成功者」の姿も目立ちます。けれど、資産形成を急ぐあまり、まだ手にしていない「親の財産」まで自分の資産として計算し始めたら――。合理的なはずのその判断が、家族の食卓を凍りつかせることに。見ていきましょう。

「40歳までFIREしたい」34歳会社員、お盆の実家で“暴走”のワケ

「なんであんなこと言ったのか。恥ずかしくて、親に申し訳なくて……」

 

お盆休み、久しぶりに実家へ帰省した直哉さん(仮名・34歳)は、自分が口にしてしまった「あること」を痛烈に後悔していました。

 

都内で一人暮らしをする直哉さんは、年収540万円の会社員。金融資産は約2,000万円あります。目標は40歳までに1億2,000万円を築いてFIREすること。年間480万円程度(手取りで400万円弱)を資産から取り崩せる状態を目指し、生活費を切り詰め、給与が入ればできるだけ投資に回しています。

 

「俺、40歳までに会社を辞めたいんだ」

 

久々の実家帰省でそう話す直哉さんに、母親は心配そうに尋ねました。

 

「40歳で仕事を辞めて、そのあとはどうするの?」

 

「好きなことして暮らすよ。旅行したり、ゲームしたり。俺、結婚する気ないし、贅沢もしないからさ」

 

「何よそれ、まったく。これからどうやって生きていくつもりなの?」

 

父親も苦笑しながら、こう聞きました。

 

「40歳までに1億2,000万円って、お前。どうやってそんなに貯めるんだよ。普通のサラリーマンじゃ難しいぞ」

 

「投資を続ければいけると思う。今も、普通の人よりはお金あるからさ。それも投資のおかげなんだよ」

 

そう答える直哉さんに、父がこう返しました。

 

「でも、投資ってのは損することもあるんだろ? でもまぁ、俺たちももうすぐ70代だ。死んだあとは、この家も預金もお前が引き継ぐことになる。40歳は難しいかもしれないが、60歳より前には辞められるかもしれないぞ」

 

その瞬間、直哉さんの頭にひらめいたことがありました。なんていいアイディアだ――気持ちが高揚したといいます。

 

「……だったらさ。今のうちにくれない?」

 

それまでの雰囲気が一変したのは、この言葉からでした。

 

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