一見、華やかに見える「弁護士」という職業だが・・・
弁護士になるためには、法科大学院を卒業し、国家試験の最難関と言われる司法試験に合格するか、法科大学院を修了した方と同等の知識を習得しているかどうかを判定する通称「予備試験」に合格し、かつ司法試験にも合格しなければなりません。
司法試験の2010年以降の傾向を申しますと、約8,000人の受験者数に対して合格者数は約2,000人(合格率25%程度)で推移しています。
受験するだけでも大変な「司法試験」
弁護士になるための過程をもう少し掘り下げて説明してみましょう。司法試験を受けるために必要な法科大学院とは、法律のエキスパート(弁護士・裁判官・検察官)に必要な知識と能力を身に付けることを目的とする、日本の専門職大学院です。
法科大学院へ入学するだけでも大変です。入学試験が、共通試験としての適性試験と法科大学院ごとの個別試験に分かれており、両方に合格しなければなりません。
法科大学院を卒業すると、「司法試験の受験資格」と「法務博士(専門職)の専門職学位」が与えられます。
法科大学院を卒業し、合格率25%ほどの司法試験に合格した約2,000人は、司法修習と呼ばれる「弁護士の研修を2か月」「裁判所の研修を4か月」「検察の研修を2か月」等の合計1年(12か月)、研修を受けなければなりません。
研修を終え、必要な最終試験に合格した人だけが、各都道府県にある弁護士会に弁護士登録を行い、初めて弁護士として活動できるようになります。
一見、華やかに見える「弁護士」という職業は、とても難しい大学院を卒業し、最難関の国家試験である司法試験に合格し、長期間の研修を終えて初めてなれる法律のエキスパートなのです。
[図表]弁護士になるには