「親から相続した不動産をどうするか」の答えを出せないまま、何年も悩み続けている方は少なくありません。父親から空き家のアパートを継いだ51歳の会社員・ユウコさん(仮名)も、1,400万円の自己資金を投じて改修すべきか決断できずにいました。しかし、自身の資産状況を整理していくと、本当に向き合うべき「根本的な問い」が見えてきました。事例をもとに、不動産相続において“本当に必要な決断”を導き出す方法をCFPの下田幸彦氏が解説します。
自分の“現在地”を知って出した答え
ユウコさんは悩み抜いた末に、こう言いました。
「アパートの修繕契約、やめようと思います。迷っていましたが、売却することを決めました」
現状を数字で把握したユウコさん。「本当に必要なのは、ライフプランのシミュレーションではないか」と、自分自身で考えを整理し、父のアパートを手放すと決断しました。
相続した不動産を巡る悩みは、表面上は「改修か売却か」という二択に見えます。しかし多くの場合、その奥には「自分はこれからいくら必要なのか」「何のためにお金を増やすのか」という、もっと根本的な問いが眠っています。
その問いに答えないまま、「不動産のほうが安定している」「運用のほうが効率がいい」という議論をしても、本当の意味での答えは出ません。
大きな決断をする前に、まず自分の「現在地」と「必要な資金」を把握すること。それが、お金の不安を解消するための、最初の一歩です。
下田 幸彦
青い森FP事務所
代表/CFP®
青い森FP事務所
代表/CFP®
元ITエンジニアの経歴を持つ、異色の独立系ファイナンシャルプランナー。大手保険代理店やハウスメーカー金融担当者を経て独立。自身も株式・FX・不動産など幅広い投資を行う「実践家」でもある。
ITスキルを駆使した合理的で緻密な資産管理術と、自身の経験に基づく「顧客の不安や迷いに深く寄り添う」カウンセリングスタイルを融合。現在は、50代以上の「資産設計サポート」や富裕層の「デジタル遺産・相続対策」など、人生後半戦の資産防衛を専門とするアドバイザーとして活動している。
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