手軽さの裏に潜む「リボ払い」と「キャッシング」の落とし穴
若い世代が知らず知らずのうちに多重債務に陥ってしまう原因に、「リボ払い」や「キャッシング」の仕組みとリスクを正しく理解していないことがあります。全国の消費生活センターには、「リボ払いで支払い残高が高額になってしまった」などの相談が寄せられ、国民生活センターでもクレジットカードの適切な利用を呼び掛けています。
一括払いで購入すれば手数料はかかりませんが、リボ払いは「いくら買い物をしても毎月の支払額が一定」という特徴があります。一見すると月々の負担が軽く感じられますが、裏を返せば「借金が減りにくい構造」になっているのです。
たとえば、50万円の買い物をし、リボ払いで毎月1万5,000円ずつ返済する場合(実質年率15%と仮定)、支払総額は約62万円となり、返済が終わるまでに3年以上かかります。月々の支払いが少ない分、感覚が麻痺し、次々と買い物を重ねてしまうことで、一気に返済不能な金額まで膨らんでしまうのです。
また、スマホやATMから数分で現金を引き出せる「キャッシング」や「カードローン」も同様です。金利は年15%~18%と高く設定されていることが多く、一度利用し始めると「自分の口座からお金を引き出している」ような錯覚に陥り、あっという間に複数の会社から借り入れを重ねる事態に陥ります。
野呂さんがそうしたように、親心として「我が子の危機を救いたい」と借金を肩代わりしてしまうケースは少なくありません。しかし、親がお金を払って解決してしまうと、本人が借金の恐ろしさを痛感せず、再び同じ過ちを繰り返してしまうリスクもあります。
18歳以上(成人)の作った借金に対して、親が弁済する義務はありません。場合によっては、弁護士などの専門家に相談し、任意整理や自己破産といった債務整理の手続きを本人に取らせることも選択肢の一つです。
現代は、SNSで他人の華やかな生活が常に入ってきて、承認欲求を煽られやすい時代です。「見劣りしたくない」「惨めになりたくない」という焦りから、予期せぬトラブルに陥りかねません。こればかりは離れて暮らす親の力だけで未然に防ぐのは難しいのが現実です。
だからこそ、子どもが独立する前にカードの仕組みや金利のリスクといった「金融教育」を家庭内でも伝えておくことが重要になります。あわせて、普段から連絡を密に取り合い、手遅れになる前にお金の悩みを相談できる親子関係を築いておくことが、結果として家族全員の老後を守るための第一歩となります。
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