「来るのはうれしい。でも、毎回はできない」
洋子さんが本音を伝えたのは、夫婦で予約していた日帰り旅行の前日でした。由佳さんから「明日は夫が出張だから、子どもたちと夕飯を食べに行くね」とメッセージが届いたのです。
洋子さんが旅行の予定を伝えると、由佳さんは「夕方には帰ってくるでしょう。夕飯だけでもお願いできない?」と返しました。
「明日は無理よ。私たちにも予定があるから」
洋子さんが断ると、由佳さんは「お母さんは孫に会いたがっていたじゃない」と不満を示しました。
そこで洋子さんは、これまで言えなかったことを伝えました。
「来てくれるのはうれしい。でも、急に4人分の食事を用意するのは大変なの。毎回こちらが食事代を出すのも、これからずっとは続けられない」
由佳さんは、母親がそこまで負担に感じているとは思っていませんでした。夕食代についても、「実家だから甘えていた」と認めたといいます。
夫婦は由佳さん一家と話し合い、訪問は原則として週1回まで、前日までに連絡することにしました。当日に来る場合は、食事を持参するか、娘側が購入します。孫を預かる日も、夫婦に先約がない場合に限ると決めました。
由佳さんは自治体のファミリー・サポート・センターにも登録しました。同制度では、地域の会員同士による相互援助として、保育施設への送迎や放課後の預かり、保護者の急な残業時の支援などが行われています。利用条件や料金は自治体によって異なります。
こども家庭庁によると、2025年5月時点の放課後児童クラブの登録児童数は157万645人で、クラブ数は2万5,928か所です。共働き世帯を支える受け皿は広がっていますが、利用時間や地域の状況によって、祖父母に頼らざるを得ない家庭もあります。
話し合いの後も、孫たちは週末に遊びに来ています。ただし、由佳さんが総菜や食材を持参し、片づけも担当するようになりました。
洋子さんは体操教室へ通い直し、夫婦での外出も予定どおり楽しんでいます。
負担を我慢し続ければ、やがて訪問そのものを苦痛に感じるようになるかもしれません。だからこそ、できることと難しいことを早めに伝え、家族全員が無理なく続けられる形を決めておく必要があります。
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