SNSでの情報発信トラブル…刑事事件に発展するリスクは?
X(旧Twitter)やInstagram、TikTok、FacebookなどのSNSは、誰でも気軽に情報を発信できる便利なツールです。SNSでのトラブルが直ちに刑事事件に発展するわけではありませんが、トラブルの内容によっては刑事事件へ発展するケースもあります。
「匿名だから大丈夫」「投稿を削除すれば問題ない」と安易に考える方もいるようですが、投稿者が特定され、警察の捜査を受けることはあります。今回は、SNSがきっかけで刑事事件に発展する可能性がある、代表的なケースをご紹介します。
1. 名誉毀損罪
SNS上で特定の個人や企業について、社会的評価を低下させる内容を投稿すると、名誉毀損罪(刑法230条)が成立する可能性があります。例えば、
「○○は不倫している」
「○○は会社のお金を横領している」
「あの店は違法営業をしている」
といった投稿がこれに当たる可能性があります。真実を書いた場合でも、一定の場合には名誉毀損罪が成立することがあるため、注意が必要です。
2. 侮辱罪
具体的な事実を示さなくても、
「死ね」
「クズ」
「人間の価値がない」
など、人格を著しく傷つける表現を公然と投稿した場合には、侮辱罪(刑法231条)が成立する可能性があります。近年はSNS上の誹謗中傷への対応が強化され、侮辱罪の法定刑も引き上げられています。
3. 脅迫罪
SNSやダイレクトメッセージ(DM)で、
「殺してやる」
「家まで行く」
「痛い目に遭わせる」
など、生命や身体、財産に危害を加える旨を告げて相手を畏怖させた場合には、脅迫罪(刑法222条)が成立する可能性があります。実際に危害を加えていなくても、脅迫罪が成立する場合があります。
4. 業務妨害罪・信用毀損罪
企業や店舗に対し、
「店に爆弾を仕掛けた」
「異物が混入している」
「この会社は詐欺会社だ」
など虚偽の情報を投稿し、営業を妨害した場合には、偽計業務妨害罪や信用毀損罪が成立する可能性があります。企業に対する悪質な投稿は、刑事責任だけでなく、高額な損害賠償請求につながることもあります。
5. 詐欺罪
SNSを利用して、
●虚偽の投資話を持ち掛けてお金を振り込ませる
●商品を販売すると言いながら発送しない
●虚偽の副業を紹介すると言って金銭を受け取る
など、人をだまして財産を交付させた場合には、詐欺罪(刑法246条)が成立する可能性があります。近年急増している「SNS型投資詐欺」や「ロマンス詐欺」も、この類型に当たることがあります。
6. リベンジポルノ・性的画像の投稿
元交際相手などの性的な写真や動画を本人の同意なくSNSへ投稿した場合には、リベンジポルノ防止法違反となる可能性があります。
また、内容によっては刑法上の犯罪が成立することもあり、厳しい処罰の対象となります。
7. 著作権法違反
インターネット上に公開されている写真やイラスト、漫画、動画などを権利者の許可なく転載・投稿すると、著作権法違反となる可能性があります。
「ネットにある画像だから自由に使える」というわけではありません。特に営利目的での利用や無断転載には注意が必要です。
軽い気持ちの投稿が「大きなトラブル」になることも…
SNSへの投稿は、一度拡散されると完全に削除することは困難です。また、削除後であってもスクリーンショットや通信記録などから投稿内容が証拠として残るケースもあります。「匿名だから分からない」「すぐ消したから大丈夫」という考えは非常に危険です。
警察から事情聴取を求められたり、被害者から損害賠償を請求されたりした場合には、早い段階で刑事事件に詳しい弁護士へ相談することをおすすめします。
上野 仁平
JIN国際刑事法律事務所
弁護士
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