息子が解約を申し出ても…
修一さんは、届いていた商品と書類を契約先ごとに分け、母と一緒に消費生活センターへ相談しました。
通信販売には、訪問販売のような一般的なクーリング・オフ制度はありません。返品や解約は、原則として事業者が示した条件に従うことになります。
一方、新聞広告やテレビCMを見て消費者が電話をかけた際、広告にない商品を勧誘された場合には、契約の経緯によって「電話勧誘販売」に該当し、クーリング・オフが可能になることがあります。
春子さんの契約も、単に商品を注文したものと、電話で追加の商品を勧められたものが混在していました。そのため、すべてを一括で解約することはできず、契約先ごとに経緯を確認する必要がありました。
未開封の商品を返品できた会社もあれば、次回分からの解約にとどまった会社もあります。それでも相談員の助言を受けながら手続きを進め、毎月の支払いは約1万円まで減りました。
国民生活センターによると、通信販売の定期購入に関する相談は、2024年度に約8万9,000件寄せられています。健康食品や化粧品、飲料などを、安価な「お試し」のつもりで注文したところ、継続購入が条件だったという相談が目立ちます。
また、総務省『家計調査報告(家計収支編)2025年平均結果』では、65歳以上の単身無職世帯の実収入は月13万1,456円、可処分所得は11万8,465円でした。これに対し、消費支出は14万8,445円です。平均的にも収入だけで支出を賄いにくいなか、毎月数万円の不要な契約が重なれば、生活への影響は小さくありません。
修一さんは、母の同意を得て、通帳やクレジットカードの明細を定期的に一緒に確認することにしました。新たに商品を注文する際も、その場で決めず、一度息子へ相談するという約束をしています。
内閣府『令和7年版高齢社会白書』では、65歳以上人口に占める一人暮らしの割合は、2025年の推計で男性18.3%、女性25.4%となっており、高齢者の単身世帯は今後も増加すると見込まれています。
離れて暮らす親との電話で変わった様子がなくても、家計や契約の問題まで分かるとは限りません。未開封の商品が増えている、急に節約するようになった、請求書を整理できていないといった変化は、本人が困っているサインである可能性があります。責めることから始めず、契約内容を一緒に整理し、必要に応じて消費者ホットライン「188」などの専門窓口につなぐことが、問題の拡大を防ぐうえで重要です。
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