夏の帰省、お盆のお墓参りも変化していく
お盆の帰省は、日本の夏を象徴する風景の一つです。しかし近年は物価高による家計への負担に加え、記録的な猛暑が重なり、「実家に帰りたいけれど帰れない」「帰省の形を変えたい」と考える家庭も少なくありません。
迎える実家側にも余裕があるとは限りません。厚生労働省の「介護給付費等実態統計月報(2025年)」によると、要支援・要介護者が目に見えて増えてくるのは70代後半から。介護まではいかないまでも、70代後半ぐらいになれば、日常の家事だけで手一杯になることも少なくないのです。
また、子どもや孫が帰省してくれば、ご馳走を奮発したり、お土産を用意したり、お小遣いを渡したりしてしまうのが親心。ですが、その影には経済的な負担があります。
総務省「家計調査報告 2025年」を見ると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の可処分所得は月約22.2万円、消費支出は月約26.4万円。平均では毎月不足が生じている中で、子どもや孫を迎えるためにとお金を捻出しているケースも多いのです。
さらに、近年の猛暑で、迎える側の体力的な負担は大きくなっています。お盆は夜間に墓参りできる取り組みを始めているお寺なども増えていますが、お盆にこだわらず秋彼岸など涼しい時期に墓参りを行う、家族が時期をずらして帰省するといった選択をするケースも、今後はさらに増えていくでしょう。
文美さんと母の決断は、お互いに寂しさが残るでしょう。しかし、「お盆に全員が集まること」だけで家族の思い出は作られるものではありません。大切なのは、その時々の家族の状況に合わせながら、互いを思いやる形でつながり続けることなのかもしれません。
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