「ふるさと納税で10万円分使った」高額納税自慢にショックを受け…「俺は5万円すら無理」と自分の収入に落ち込む人がしている〈大きな誤解〉

「ふるさと納税で10万円分使った」高額納税自慢にショックを受け…「俺は5万円すら無理」と自分の収入に落ち込む人がしている〈大きな誤解〉
(※写真はイメージです/PIXTA)

SNSの普及によって、私たちは以前よりもはるかに多くの情報を手に入れられるようになりました。お金に関する情報も例外ではありません。ママ友のインスタ、投資家YouTuberの動画、Xで流れてくるポスト……。こうした情報を見ていると、つい焦りが生まれてしまいます。しかし、焦りを起点とした行動は不安をさらに強め、いい結果につながりにくいものです。櫻井かすみ氏の著書『不安通貨』(Gakken)より、情報が溢れる現代で、お金の不安がなかなか消えない根本原因を探ります。

SNSによる他人との比較から出費をしてしまうコスト

例えば、こんな経験はないでしょうか。

 

■ママ友のインスタで「新NISA満額! 子どもの将来に備えてます」という投稿を見て、まだ始めていない自分に焦りを感じた

 

■同僚が「ふるさと納税、今年はもう10万円分やった」と話しているのを聞いて、自分は収入が少ないから5万円もできないことに悲しくなった

 

■SNSで「30代で資産2000万円達成」という投稿を見た直後、自分の通帳残高を開いて、ため息をついた

 

■YouTubeの投資チャンネルで「この銘柄を買わないのは損」と聞くたびに、今の自分のポートフォリオが間違っている気がしてくる

 

■タイムラインに流れてくる「家族で海外旅行」の写真を見て、うちはなぜ行けないのだろうと考え込んでしまった

 

どれも、画面を閉じれば遭遇しない情報です。SNS上では、成功が称賛され、結果がすべてのように語られ、「いいね」やフォロワーの多さが価値の指標とされがちです。

 

本来、人それぞれで違うはずの人生が、同じ物差しで測られているような錯覚が生まれてしまいます。この錯覚が「自分も何かしなければ」「このままでは置いていかれる」という焦燥感を生み、行動を急がせ、お金を動かそうとします。

 

こうして使われたお金は、自分の願いや価値観から出たものではなく、他人との比較から生まれたお金。それは安心をもたらすどころか、次の比較を生み、次の不安を呼び込んでしまいます。今日、誰かの投資成功談を見て焦ってお金を動かしても、明日はまた別の誰かの華やかな投稿が目に入り、同じ不安が繰り返されるのです。

 

「専門家が勧めている」「多くの人がやっている」「データ的に正しそうだ」「有名なインフルエンサーも言っている」「今のトレンドだから」「なんとなく良く思える」――こうした理由で選んだお金の使い方は、一見うまくいきそうに見えます。

 

しかしその選択が、自分の基準ではなく他人の成果に基づいているとき、心の中ではこんな声が消えません。「本当にこれでよかったのだろうか」「もっといい選択があるのでは」。これこそが、不安通貨*が減らない最大の理由の1つです。

 

*編集注:不安通貨とは、「不安という感情をまとったまま使われているお金のこと」と著者は定義している。お金のことを学べば学ぶほど、調べれば調べるほど、不安が増えていく。この不思議な現象の正体が、不安通貨の増殖である。

 

次ページSNSを通じた比較が強い不安を生む理由

※本連載は、櫻井かすみ氏の著書『不安通貨』(Gakken)から一部を抜粋・再編集したものです。

不安通貨

不安通貨

櫻井 かすみ

Gakken

十分な貯蓄があっても将来が不安な人。高収入でも満たされない人。一方で、収入がそれほど高くなくても安心して暮らしている人。 その違いは、お金の額ではなく、「お金との向き合い方」にありました。 海外では国家レベ…

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