バブル判定の4条件
現在がバブルであるか否か、判断するのは容易ではありませんが、筆者は自分の判断のために4つの条件を考えているので、ご紹介します。
条件1 「今回は従来とは事情が違うから、値上がりは当然であってバブルではない」と値上がりを正当化する人がいる
平成バブルのときには、「日本経済は米国に勝った。21世紀は日本の時代なのだから、株や土地が高いのは当然だ」という雰囲気が充満していました。
一方、最近の不動産価格については、
「夫婦とも正社員というカップルがバブル期と比較にならないほど多い」
「住宅ローン金利がバブル期よりもはるかに低いので、金利を含めた返済額はバブル期より少ない」
「したがって、バブル期より高いとしても、合理的な説明が可能である」
という人が少なくないようです。最近の株価についても、
「AIは人類のあり方を変えてしまうほどの大きな変化であり、それに関連した株が高騰するのは当然だ」
という人が少なくないようです。
条件2 資産価格が高騰しているのに金融が緩和されている
バブルのときは、景気が過熱してインフレになり、金融が引き締められるので、バブルは拡大途中で消滅するのが普通です。しかし、何らかの事情で金融緩和が続くと、バブルが拡大することが可能になります。
平成バブルのときには、株価と地価だけが高騰し、一般物価は落ち着いていたため、金融は緩和されたままでした。今次局面も、都心タワマン価格やAI関連株価が高騰する一方で一般物価は比較的安定していますから、金融は緩和されたままです。
条件3 今まで株に興味がなかった人が大量に参入してくる
読者の配偶者が隣人から儲かった話を聞いて、「株で儲けるのは簡単そうだ。自分もやってみよう」などと言い出したら、読者は株を売りましょう(笑)。
今次タワマン高騰は、こうした状況とは異なるので、今回はあまり参考にはなりそうもありませんが、AI関連株には少しそうした匂いも感じます。
条件4 当事者だけが盛り上がっていて、周囲は冷めた目で見ている
平成バブルのときは、国内の盛り上がりを海外は冷めた目で見ていたようです。今次タワマン高騰は、当事者も盛り上がっておらず、スルスルと価格だけが高騰していると筆者は理解しています。
こうしたことを考えると、タワマン高騰については、バブルである可能性は否定できないようですが、バブルだろうと考える根拠も見当たらない、といったところでしょうか。
1つの安心材料は、仮に今回の高騰がバブルであって、それが崩壊したとしても、不動産価格全体のバブルとは異なり、景気や経済への影響はそれほど大きくなりそうもない、ということですね。タワマン購入を考えている人はともかく、それ以外の人は「他人事」として傍観していればよいでしょう。
もっとも、AI関連株については、バブルである可能性も決して小さくないと思っています。しかし、読者が「バブルだとしても、バブルが崩壊する前に売り抜ければいいのだから買おう」と思うのであれば、それは愚かなことだとは思いません。運に賭けるという決断をしているだけですから。もっとも、投資は当然ですが自己責任ですので、参入するならば、その覚悟を決めてからにしましょう。
今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。
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塚崎 公義
経済評論家
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