「どうか、夢であってくれ」…年収1,000万円・56歳部長の順風満帆な人生、突然の終焉。もらえるはずの「約2,000万円」を失ったワケ

「どうか、夢であってくれ」…年収1,000万円・56歳部長の順風満帆な人生、突然の終焉。もらえるはずの「約2,000万円」を失ったワケ

順調な会社人生でした。50代で部長となり、年収は1,000万円超。娘の教育費もようやく終わりが見え、「これから老後資金を貯めよう」と夫婦で話し合っていた矢先のこと。会社の突然の制度変更により、「まさかの事態」に。定年までの数年間で失う収入は、なんと2,000万円超に及ぶ可能性があります。今回は、突然の制度変更によって人生設計が一変した56歳会社員の事例から、「長く働く時代」の落とし穴を見ていきましょう。

「長く働ける」=「今までと同じ待遇で働き続ける」はまったく別

「定年後も働く」という働き方は、もはや特別なものではありません。内閣府『令和7年版高齢社会白書』によると、2024年の65~69歳の就業率は54.9%と半数を超え、70~74歳でも35.6%となっています。高齢者の就業者数は21年連続で前年を上回っており、今後も70歳を過ぎて働く人はさらに増えていくと考えられます。

 

しかし、「長く働けること」と、「今までと同じ待遇で働き続けられること」は、まったく別の話です。

 

実際、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査では、役職定年制を導入している企業は2019年時点で28.1%。55歳前後で役職を外れ、役職手当がなくなることで、年収が1~3割下がるケースは決して珍しくありません。

 

企業にとって役職定年は、若手への世代交代や人件費の適正化を進めるための制度です。一方で、働く側からすれば、仕事はほとんど変わらないのに収入だけが下がるという厳しい現実に直面することになります。

 

佐野さんが受けた打撃は、制度変更が突然だったからこそ大きくなりました。しかし、役職定年そのものは決して珍しい制度ではなく、多くの企業では以前から導入されていました。だからこそ、「自分の会社は大丈夫」「定年まで逃げ切れる」という思い込みは危ういのかもしれません。

 

これからの時代に求められるのは、会社の肩書きに頼ることではなく、自分自身の市場価値を少しずつ高め続けることです。新しい知識を学ぶこと、資格を取得すること、人脈を広げること、社外でも通用する経験を積むこと――そうした積み重ねが、思いがけない環境の変化に直面したとき、自分や家族を守る力になります。

 

人生100年時代。長く働くことが当たり前になった今問われるのは、「何歳になっても必要とされる人材でいられるか」なのかもしれません。

 

 

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