明るみになった援助の実態…長女「昔から私には厳しかった」
伊東さん宅のリビングで、美香さんはこんな話を持ち出したときのことです。
「うちの長男がね、今度サピックス(進学塾)の冬期講習で一番上のクラスに入ったのよ。お受験にもそろそろ本腰入れないとだし、お金かかっちゃう」
「中学受験か、すごいわね。でも、あなたたちのところは大丈夫でしょう? 私たちは奈緒のところに援助するだけで手一杯だから、助かってるわ」
「――え? 援助ってなに?」
伊東さんの口から出た何気ない言葉をきっかけに、“次女の孫への金銭的援助”の事実が明るみにでたのです。
美香さん自身、自分たち姉妹の経済格差はわかっているはずです。しかし、同じ娘という立場で「孫に対する援助を受けていた妹と、まったくなかった自分」――それをきっかけに、お金はもとより“愛情の差”を感じてしまったようなのです。
「いいなあ、奈緒は。子どもを可愛がってもらって、お金までもらって。うちの子には、お年玉ぐらいだもんね。昔からそうだった。長女の私は厳しくされて、奈緒は可愛がられて。……だったら将来、私はお父さんとお母さんの介護をする義務はないよね」
涙声でした。美香さんは予定を切り上げて、夫と子どもたちを連れて早々に東京へ戻っていきました。
「350万円の援助を責められたというより、長女がずっと『不公平だった』と思っていたことが一番つらかったです。でも、姉妹で経済格差があり、孫の暮らしに差があるのも事実なんです。どうしたらよかったのか……」
