「これくらいは、いいでしょ!?」…創業から苦楽を共にした48歳部長の裏切り。〈850万円の不正経費〉が発覚、社長が直面した「会社分裂の危機」【社労士の助言】

「これくらいは、いいでしょ!?」…創業から苦楽を共にした48歳部長の裏切り。〈850万円の不正経費〉が発覚、社長が直面した「会社分裂の危機」【社労士の助言】

中小企業の経営において、「右腕」と呼ばれる創業メンバーや幹部社員に全幅の信頼を寄せている経営者は少なくありません。しかし、その長年にわたって培われた強固な「信頼関係」こそが、ときに会社そのものを根底から揺るがすことになる恐れも……。50代の経営者の事例をもとに、社内で不正が発覚した際に会社が踏むべき「適正な懲戒手順」と対策について、社会保険労務士の内海正人氏が解説します。

不正発覚後からでも再起できる「3つ」の逆転策

不正が発覚した後でも、会社を立て直すためにできることはあります。ここでは、いまからでも実践できる「3つの逆転策」を紹介します。

 

1.幹部でも例外なし…「経費精算ルール」の二重チェック化

「〇〇さんがいうなら間違いない」といった属人的な運用はただちに撤廃しましょう。具体的には、下記のような対策があげられます。

 

・3万円以上の経費精算には、領収書だけでなく『仕様書』『議事録』『出張報告書』の添付を必須とする

・部長・役員クラスの経費精算であっても、経理担当の一次チェック後、必ず最終的に社長(または別の役員)が明細を確認して決裁する

 

仕組みとして「例外」を作らないことが、結果的に幹部を“魔の手”から守ります。

 

2.就業規則の「懲戒規定」をアップデートし、周知する

創業時に作った就業規則をそのまま放置していませんか? 「経費の不正請求、架空出張、社用カードの私的利用は、金額の多寡にかかわらず懲戒解雇の対象となる」といった旨を明記し、全社員に向けて改めて周知・研修を行いましょう。

 

これにより、「会社は金銭的不正を絶対に許さない」という強い抑止力を持たせることができます。

 

3.外部の専門家(社労士・税理士)による「定期監査」の導入

社内の人間だけでチェックしようとすると、どうしても「上司への遠慮」や「忖度」が生まれます。そのため、半年に1回か年に1回、社会保険労務士による「労務監査(勤怠記録と出張手当の整合性チェック)」や、税理士による「経費の抽出監査」を導入するようにしましょう。

 

「今度から外部の先生が定期的にチェックすることになったから、ルール通りにしっかりやってね」と、外部の力を言い訳(悪者)に使うことで、社内の人間関係をギスギスさせることなく、健全なガバナンスを維持できます。

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