高級車節税スキームの「3つの注意点」
このスキームは強力ですが、一歩間違えると想定どおりの節税効果が得られないため、以下の3点に厳重な注意が必要です。
1.決算前の“駆け込み購入”では意味がない
日本の減価償却は「月割り計算」です。1年で全額経費になるのは、事業年度の1年間まるまる車を所有していた場合のみです。たとえば、もし決算月に1,200万円の車を駆け込みで購入しても、その期に経費にできるのは1ヵ月分(12分の1)の100万円だけです。
効果を最大限に生かすなら、「事業年度の最初の月(期首)」に購入してすぐに使い始めるのが鉄則です。ただし、購入時に支払う消費税については一括で仕入税額控除できるため、決算ギリギリの購入でも一定の節税効果は見込めます。
2.減価償却は契約日ではなく「納車日」が基準
減価償却をスタートできるのは「事業の用に供した日(実際に使い始めた日)」からです。契約書にハンコを押してお金を払った日ではありません。
人気車や輸入車は納車までに時間がかかることが多く、決算月までに納車が間に合わなければ経費化が次期にズレ込んでしまいます。自社の期首のタイミングにぴったり納車されるよう、販売店との綿密な連携が必須です。
3.事故による価値下落リスク
車に乗る以上、事故のリスクは避けられません。もし事故を起こして「修復歴(修理歴)」がついてしまうと、いくらリセールバリューが高い車種でも売却時の価値が大きく下がってしまい、スキームが崩壊して損をしてしまいます。節税目的の車であるからこそ、安全運転には細心の注意を払う必要があります。
高級車を利用した節税スキームは強力ですが、絶対に価値が下がらないとは言い切れないことや、月割り計算・納車日のズレ、事故などのリスクも伴います。
これらのリスクを踏まえたうえで、会社の資産を防衛する手段として活用していくことが重要です。
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黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
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