先週は、米国の雇用統計やCPIに注目
5月の米国雇用統計では、非農業部門雇用者数(以下、NFP)が前月差+17.2万人と大幅に市場予想(同+8.8万人)を上回り、失業率は4.3%とおおむね横ばい圏での推移にとどまりました(図表1・2)。
この結果、市場では労働市場の堅調さが意識されFRBの利上げ観測が高まったことで、株価の急落(いわゆる「雇用統計ショック」)を招きました。
もっとも、今回のNFP増加は特定のセクターに偏っており、過度な楽観は禁物です。5月は景気動向に左右されにくい教育・医療サービスが引き続き増加したほか、宿泊・娯楽や地方政府の雇用増が全体の7割を占めました。
これはFIFAワールドカップ(以下、W杯)開催に伴う一時的な雇用創出とみられます。実際に、米民間求人サイトでもW杯開催地での求人急増が確認されています。しかし、こうした特殊要因はW杯閉幕後の8月には剥落し、雇用者数全体を大きく押し下げることが見込まれます。
また、Indeed求人数の減少やNFIB*が公表した中小企業雇用計画の悪化など、足もとでは今後の雇用減速を示唆する先行指標の動きにも注意が必要です(図表3)。
*NFIB:全米独立企業連盟
コアCPI鈍化…家賃要因の歪み解消
米国の消費者物価指数(除く食品及びエネルギー、以下コアCPI)は5月に前月比+0.2%と、市場予想(同+0.3%)を下回りました(図表4)。
コアCPIの内訳を確認すると、コア財は前月比でマイナスに転じており、関税コスト分を転嫁する動きがピークアウトしつつあります。また、コアサービスは4月の急加速から巻き戻しがみられました。
これは、2025年10月の政府閉鎖に伴う統計上の歪みが解消され、4月にコアサービスを押し上げた家賃の伸びが鈍化したことによるものです。
航空運賃は原油高の影響から高い伸びを維持しているものの、その他のサービス品目では急速な加速は見られておらず、現状では原油高による二次的な波及効果は限定的なものにとどまっています。
今回の結果は、FRBに政策判断の時間的猶予を与え、政策据え置きを正当化するものになると考えられます。
東京海上アセットマネジメント
※本記事は東京海上アセットマネジメントの「TMAMマーケットウィークリー」の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が文章を一部改変しております。
※全文は「TMAMマーケットウィークリー」をご確認ください。
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