5.生命保険料
個人の生命保険料控除は、年間12万円に制限されています。法人の場合も2019年以降上限が設けられましたが、一部を損金にしながら退職金の準備に活用することが可能です。
経営者に万が一のことがあった際には、多額の死亡保険金が法人に入金され、これをのこされた家族への退職金や事業の継続資金として活用することができます。
6.トレーラーハウス投資
これは複数のトレーラーハウスをホテルとして貸し出す投資で、700万円程度から始められ、4年で減価償却が可能です。定率法を使用した場合、初年度に購入額の50%を償却できるため、700万円であれば初年度だけで350万円が経費として計上されます。
初年度で大きな比率が経費となるため、突発的に大きな利益が出た年に活用するのに適しています。
7.海外不動産
個人での海外不動産を使った節税は2021年以降できなくなりましたが、法人であれば活用できます。特に、アメリカでは建物に価値がつくため、購入額の大部分を一気に減価償却として経費化することができます。築22年以上の木造であれば4年で減価償却が可能で、アメリカは木造の中古市場が活発であり、物件を見つけやすいという利点があります。
8.オペレーティングリース
航空機やコンテナなどの高額な資産を複数の出資者で共同購入し、賃料を受け取る投資手法です。初年度から投資額の70%~80%を計上することができます。法人限定の手法であり、数千万円単位の利益が出たときに使える節税策です。
ただし、一度出資すると5年から10年は資金が戻らず、為替の影響や運航会社の経営状況によっては元本割れのリスクも存在するため、余剰資金で、かつ出口戦略とセットで組み込むことが重要です。
9.退職金
個人事業主の場合「退職金」の概念自体がありませんが、法人であれば数千万円~億単位のお金を全額経費にしながら個人に移すことができます。
この退職金には、「分離課税」「退職所得控除」「2分の1課税」という3つの税優遇措置が用意されています。分離課税で他の所得と合算せず単独で税金が計算され、退職所得控除により勤続年数に応じて大きな控除があります。勤続30年であれば1,500万円もの控除が適用されます。
さらに、控除後の金額をさらに2分の1にした額だけが課税対象となり、社会保険料の算定対象にもなりません。同じ金額を役員報酬で受け取るのと比べると、手元に残る金額は相当なものとなります。
使えるものから積極的に活用を
今回紹介した手法をすべて同時に使う必要はありませんが、自社の利益規模や状況に合わせて組み合わせていくことが大切です。知っているかどうかで手取り額は大きく変わります。
すでに法人化されている方でも、意外と使えていないものがあるかもしれません。使えるものから積極的に活用し、戦略的な節税設計を進めることで、より効果的な資産防衛を実現できるでしょう。
黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
