(※写真はイメージです/PIXTA)

若い世代の一人暮らしは、家賃、食費、通信費、奨学金返済など、毎月の固定費に追われやすいものです。就職して収入を得るようになっても、物価上昇や都市部の住居費負担が重なれば、生活には思ったほど余裕が残りません。親世代から見ると「働いているのだから大丈夫」と思えても、実際にはかなり切り詰めて暮らしているケースもあります。

「迷惑かけたくなかった」…娘が隠していた生活の苦しさ

日本学生支援機構の奨学金は、返還期日までに返還されないと延滞金が課される場合があります。同機構の調査でも、返還義務についての理解や延滞防止の重要性が示されています。奨学金返還は、若い社会人にとって毎月の固定費になりやすい支出です。

 

「社会人になったんだから、親に頼っちゃいけないと思ってた」

 

梨花さんのその言葉に、美穂さんは言いすぎたことを後悔しました。「なんでこんな暮らしを」と責めるべきではなかった。娘は娘なりに、限られた収入の中で必死に生活を守っていたのです。

 

その日、美穂さんは梨花さんと一緒にスーパーへ行き、冷凍できる肉や野菜、米を買いました。帰宅後、二人で作り置きをしながら、家計の見直しもしました。

 

通信費を下げる。職場近くの高い昼食を避ける。奨学金返還が苦しい月は、減額返還制度などを調べる。親からの援助も、「困った時だけは頼っていい」と伝えました。

 

「全部助けることはできなくても、一人で抱えなくていいと言いたかったんです」

 

若い一人暮らしの生活苦は、外から見えにくいものです。毎月の固定費が重なれば、食費や体調管理が後回しになることもあります。

 

美穂さんが見た冷蔵庫の中身は、だらしなさの証拠ではありませんでした。22歳の娘が「大丈夫」と言いながら、誰にも心配をかけまいとして小さく切り詰めてきた生活の跡だったのです。

 

 

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