「ペアローンなんか組まなきゃよかった」タワマン購入のパワーカップル、離婚が人生転落の引き金に!?…もう「債務整理」しかないのか【司法書士が解説】

「ペアローンなんか組まなきゃよかった」タワマン購入のパワーカップル、離婚が人生転落の引き金に!?…もう「債務整理」しかないのか【司法書士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

世帯年収2,000万円超のパワーカップルがペアローンを組めば、平均的な所得の家庭では手が出ない高額な不動産も購入可能です。しかし、もし離婚という事態になったら大変です。高所得者ならではの問題が噴出するからです。パワーカップルの離婚に伴うペアローンのリスクと、その後に続く債務整理の問題を見ていきます。司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏が解説します。

離婚後、債務整理を選択すべきケース

離婚後、返済継続が困難となった場合には、債務整理も選択肢として検討する必要があります。オーバーローンで売却できない、ほかの借入返済まで苦しくなっている、教育費や養育費負担が重い、元配偶者が返済しない、毎月の返済が生活を圧迫しているといった状況では、問題を放置することでさらに状況が悪化する可能性があります。

 

具体的な方法としては、下記があります。

 

●個人再生

 

子どもの学区を変えたくない、自宅を維持したい、社会的信用への影響を最小限にしたい、といったケースでは、「個人再生」が有力な選択肢となる場合があります。

 

【個人再生とは】

 

債務の支払が困難となった個人が利用する民事再生手続のことです。返済総額を少なくし、その少なくなった後の金額を原則3年間で分割して返済する再生計画を立て、債権者の意見を聞いたうえで裁判所が認めれば、その計画どおりの返済をすることによって、残りの債務(養育費・税金など一部の債務を除く)などが免除されるという手続です(ただし、養育費・税金など一部の債務は免除されません)。

 

出所:法テラスウェブサイトより

 

個人再生では、住宅ローン特則を利用することで、住宅ローンを維持しながら、その他の借金を大幅に減額できる可能性があります。

 

そのため、カードローン・リボ払い・事業性借入・教育ローンなどの負担を整理しつつ、自宅維持を目指せるケースがあります。

 

●任意整理

 

住宅ローン自体は支払えているものの、その他債務が重い場合には「任意整理」によって返済負担を軽減するケースもあります。

 

【任意整理とは】

 

裁判所などの公的機関を利用せず、当事者が私的に話合いをして、支払額や支払方法について合意をする手続です。自己破産などと異なり、支払をしていくことが必要な債務整理手続ですので、そのための原資の確保や家計管理が必要です。

 

出所:法テラスウェブサイトより

 

●任意売却

 

返済継続が困難な場合は、金融機関と協議しながら「任意売却」を進めるケースもあります。任意売却は、競売より柔軟な条件で売却できる可能性があり、残債務の整理について協議できる場合もあります。

 

【自宅の任意売却とは】

 

裁判所の競売手続によらずに、通常の不動産取引として住宅を売却する手続のことです。売却代金は、住宅ローンの残額に充てられますが、競売手続よりも高い金額での取引が期待できるため、抵当権者も応じてくれる場合があります。

 

出所:法テラスウェブサイトより

債務問題は早期の対応が重要

ペアローンは、パワーカップルにとって高額物件購入を可能にする便利な仕組みです。

 

しかし一方で、離婚してもローン契約は残り、元配偶者との債務関係が続きます。また、オーバーローンで売却できず借り換えもできないといった深刻な問題を抱える可能性があります。

 

そして問題が深刻化すると、単なる住宅ローン問題ではなく、生活全体を圧迫する債務問題へ発展していきます。特に高所得者層では、「まだ大丈夫」「収入があるから何とかなる」と考えてしまい、相談が遅れるケースも少なくありません。

 

しかし、債務問題は早期に対応するほど選択肢が広がります。家を守るのか、生活を立て直すのか。

 

離婚後のペアローン問題では、感情論だけではなく、将来を見据えた冷静な判断が重要になります。

 

 

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所 代表司法書士

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【資産防衛】6月17日(水)オンライン開催
《財務・資産承継戦略》
令和版「お宝保険」の正体とポテンシャルは?

 

【資産運用】6月18日(木)オンライン開催
《決算対策・財務戦略》
2026年版・太陽光投資の“4つのメリット”

 

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧