年収1,500万円・30歳の外資系金融マンが沈んだ借金地獄…司法書士が目の当たりにした「見えない負債」のヤバさ

年収1,500万円・30歳の外資系金融マンが沈んだ借金地獄…司法書士が目の当たりにした「見えない負債」のヤバさ
(※写真はイメージです/PIXTA)

一般的に、年収が高いほどお金の問題に無縁だと思われがちです。ところが実務の現場では、債務問題を抱えた高所得者の多さに驚きます。医師、弁護士、外資系企業の会社員といった「勝ち組」「エリート」でも、クレジットカードやリボ払い、各種ローンの残高が膨らみ、債務整理を検討せざるを得ない状況に至るケースがあるのです。今回は、高所得者特有の「見えない負債」と、その解決策を見ていきます。司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏が解説します。

「稼ぐ人」でも、あっさり借金地獄に沈む可能性

「年収が高い=資産形成ができている」という図式は、現代では必ずしも成立しません。

 

むしろ高所得者の場合、クレジットカードの利用枠が大きく、複数の金融機関からローンを組めること、また、生活水準が高く固定費が大きいといった事情から、負債が大きく膨らみやすい環境にあります。

 

さらに近年は、スマートフォン1つで決済が完結するため、「今いくら借りているのか」を実感しにくい構造になっています。その結果、気づかないうちに数百万円~数千万円規模の債務を抱えてしまうケースもあります。

「いつでも返済できるし…」高所得者ほど借金に油断する

高所得者が債務問題を深刻化させてしまう最大の理由は、「自分はいつでも返せる」という過信です。収入が高い人ほど「そのうちボーナスで返せる」「来年は収入がもっと増える」「この程度の借金なら問題ない」と考え、問題を先送りしてしまいがちです。

 

さらに、社会的地位がある人ほど「周囲に知られたくない」「専門家へ相談しにくい」といった心理も働きます。

 

しかし、借金は放置するほど利息が膨らみ、借入先も増えていき、ついには「返済による生活圧迫」という苦況に陥ります。

 

問題を先送りにした結果、解決策が限られるケースは、決して珍しくありません。

高所得者の借金膨張の特徴

実務上よく見られるのが、複数の金融サービスが積み重なって債務が膨らむケースです。例えば、次のような例があります。

 

年収1,500万円の外資系企業勤務の男性(30歳)は、世間一般より高額な収入を得ていることから、次第に金遣いが荒くなり浪費を繰り返すように。クレジットカードの分割払いから始まり、ついにはリボ払いを利用するようになります。

ほかにも「高級車のローン」「不動産投資の借入」「カードローン」などを利用するうち、毎月の返済額が膨らみ、最終的には複数の金融機関に数千万円規模の負債を抱えることになりました。

収入が高かったため、当初は返済できていましたが、生活費や固定費が増え続け、次第に資金繰りが厳しくなっていきました。

 

このように、収入が高いことと、財務状況が健全であることは別問題なのです。

資産を守りたい、仕事への影響を最小限にしたい…解決策は?

借金問題にはいくつかの解決方法がありますが、高所得者の場合、特に重視されるのは次のような点です。

 

●社会的信用を守りたい

●自宅などの資産を手放したくない

●職業への影響を最小限にしたい

 

こうした事情を踏まえた解決策として、代表的なものが次の制度です。

 

◆任意整理

裁判所を利用せず、金融機関と直接交渉して将来利息のカットや返済計画の見直しを行う方法です。職業や社会的立場への影響を抑えながら、現実的な返済計画を立てることができます。

 

◆個人再生

裁判所を利用して借金を大幅に減額し、原則3〜5年で返済する制度です。特徴としては、借金を大幅に圧縮できたり、住宅を残せる可能性があるという点があり、「家も社会的地位も失いたくない」という方にとって有力な選択肢となることがあります。

 

債務問題は、早く相談するほど解決の選択肢が広がります。特に高所得者の場合、収入がある段階で対処すれば、比較的穏やかな形での解決が可能なケースも少なくありません。

 

一方で、問題を先送りすると、債務が膨らみ、返済不能に陥り、利用できる制度が限られるといったリスクが高まります。

まとめ

高所得者であっても、クレジットカードやリボ払い、ローンなどが積み重なることで、気づかないうちに大きな負債を抱えてしまうことがあります。そして皮肉なことに、収入が高い人ほど「自分は大丈夫」という過信から対応が遅れがちです。

 

「見えない負債」に気づいたときこそ、冷静に状況を整理し、最適な解決方法を選ぶことが大切です。

 

高所得者の債務問題は、表面からは見えにくいですが、早期に整理すれば生活や社会的信用を守りながら解決できるケースも多くあります。問題を抱え込まず、専門家へ相談することが重要です。

 

 

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所 代表司法書士

 

 

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