「働かなくても、俺は生きていけるから」…52歳息子の言葉に凍りついた父。総額2億8,000万円・潤沢な資産を持ちながら「強烈な不安」に襲われた日【CFPの助言】

「働かなくても、俺は生きていけるから」…52歳息子の言葉に凍りついた父。総額2億8,000万円・潤沢な資産を持ちながら「強烈な不安」に襲われた日【CFPの助言】
(※写真はイメージです/PIXTA)

老後資金に不安はなく、年金収入も一定程度あり、経済的には安定した生活を送っている――そう見える家庭でも、子どもの自立問題に長年悩み続けているケースがあります。特に、親に十分な資産があることで、子どもが「働かなくても生活できる」と考え、結果として長期間にわたり親へ依存してしまうことも少なくありません。今回はトータルマネーコンサルタント・CFPの新井智美氏が、こうした問題に対する解決策や注意点について解説します。

「親のお金があるのに、なぜ働くの?」

「自分たちが死んだ後、この子はどうするんだろう」

 

ここ数年で、体力の衰えを如実に感じるようになった正夫さん。裕一さんに対し、「安定した仕事を探す気はないのか」と真剣に伝えました。

 

しかし、返ってきたのは、正夫さんにとって非常に重い言葉でした。

 

「だって、うちにはお金がある。それで生きていけるのに、なんでそんなに働かなきゃいけないの?」

 

さらに裕一さんは、悪気なくこう続けたといいます。

 

「どうせ最後は俺が相続するんでしょ?」

 

正夫さんは言葉を失いました。裕一さん自身に強い悪意があったわけではありません。しかし、「親が助けてくれる」「生活に困ることはない」という感覚が、裕一さんの中で当たり前になってしまっていたのです。

気づかないうちに奪っていた「自立する理由」

正夫さん夫婦は、息子を甘やかそうとしていたわけではありません。「苦労させたくない」「追い詰めたくない」「親として見放すことはできない」。そんな思いから、必要な生活費を出し続けてきました。

 

しかし現在、正夫さん夫婦は「自立する理由を、親の自分たちが奪ってしまっていたのかもしれない」と思うようになったといいます。

 

「働かなくても生活できる状態」が長く続けば、就労意欲や危機感は薄れていきます。もちろん、病気や心の不調などで働けない場合には支援が必要です。しかし、「働けない」のではなく、「働かなくても困らない」状態が続くケースでは、家族だけで抱え込むほど問題が長期化しやすくなります。

 

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