30年で実質賃金が下がった日本
日本のスタートアップでユニコーン企業(創業10年以内で時価総額10億ドル以上の未上場のベンチャー企業)は、2025年現在、たった9社しかない。
世界には1500を超えるユニコーン企業があり、そのうちアメリカが758社、中国が343社程度を占めている。日本のユニコーン数は世界14位、というのが現実である。
都市別のユニコーン数ランキングでも、トップ30の中に東京は入っておらず圏外だ。これでは事業を立ち上げたとしても、世界的に評価される会社に成長させるのは難しい環境だと言わざるをえない。
次に、日本の賃金の現状を見てみよう。図表2を見ると、1995年の実質賃金を100としたとき、他国は軒並み実質賃金が増えているというのに、日本だけが落ち込んでいることがわかる。
図表3・4を見ると、日本だけ平均賃金(年収)が横ばいで韓国にも抜かれ、1人あたりのGDPは韓国と台湾にも抜かれてしまったことがわかる。
日本は大都市でも、相対的に給料が少ない国
そして驚くべきは、47都道府県の中で、東京や大阪の可処分所得が相対的に少ないことである。東京は42位、大阪は44位なのだ。支出が他県に比べて多いとはいえ、相対的に可処分所得が、つまり給料が少なすぎるのである。日本は都市に貧乏人が集まってきている国なのだ。
東京や大阪は、外国の「スラム街」と同じだと言っても過言ではない。日本はセーフティネットが発展しているので、現実にはスラム化していないが、貧乏レベルはスラム街と同様なのである。
また、図表5は2010年から2022年までの「円の実質実効為替レート指数」を表している。実質実効為替レートとは、貿易量や物価水準をもとに算出された通貨の購買力を総合的に測る指標だ。「円の強さ」がわかるものである。
これを見ると、2010年=100としたとき、2012~14年の第二次安倍政権を経て、40%も落ちてしまっているのである。これは1000万円預けていたお金が、海外から見れば600万円の価値になってしまったことを意味する。
ウクライナ戦争でロシアが経済制裁を受けたことは記憶に新しいが、ロシアルーブルよりも日本円の価値のほうが自然と落ちてしまっているのだ。
こうなってくると、日本円を稼ぐ意味はなくなる。同じ100万円を稼いだとしても、1年後に10万円になっている通貨より、1年後に200万円になっている通貨を稼いだほうが、どう考えても合理的だ。






