●S&P500とナスダックは昨日過去最高値を更新、イラン攻撃後の株価の下落分を埋め戻している。
●株価急回復の背景には和平協議の進展期待がありハイテク株高が相場をけん引している側面も。
●中東の紛争拡大リスクは要注意だが、株高の持続性をみる上では大手ハイテク株決算が重要に。
S&P500とナスダックは昨日過去最高値を更新、イラン攻撃後の株価の下落分を埋め戻している
4月15日の米国株式市場では、S&P500種株価指数が前日比55.57ポイント(0.8%)高の7,022.95ポイントで取引を終え、終値ベースで初の7,000ポイント台乗せとなり、過去最高値を更新しました。また、ナスダック総合株価指数も前日比376.94ポイント(1.6%)高の24,016.02ポイントで取引を終え、こちらも終値ベースで初の24,000ポイント台乗せとなり、過去最高値を更新しました。
S&P500とナスダックについて、米国とイスラエルによるイラン攻撃前日の2月27日の終値を100として指数化し、4月15日までの推移を示したものが図表1です。両指数とも直近でイラン攻撃後の株価の下落分を埋め戻しました。また、図表1には、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も掲載していますが、SOXは4月8日に過去最高値をつけて早々に下落分を埋め、足元で大きく上昇しています。
株価急回復の背景には和平協議の進展期待がありハイテク株高が相場をけん引している側面も
では、ここで、米国株が急速に回復している背景について考えます。まず、「戦闘終結に向けた米国とイランの協議が進むとの期待」があると思われます。両国とも紛争の拡大・長期化は避けたい意向があると推測されるため、交渉進展期待が相場を支えているとみられます。また、株価の戻りは、ダウ工業株30種平均が遅れる一方、SOXやナスダックが速いことから、「ハイテク株の上昇」が相場をけん引している側面があると思われます。
なお、2025年5月16日付レポートでは、株安の原因について確認すべき3点(図表2)を解説しました。今回の中東情勢悪化は、(1)と(2)には影響せず、紛争拡大なら(3)への影響が懸念されるものの、現時点で紛争拡大には至っておらず、過度な警戒は不要と判断されます。2025年5月16日当時、米関税ショックによる株安は、今回同様、(3)への影響が懸念されましたが、過度な懸念は不要と判断し、その後、株価は大きく上昇しました。
中東の紛争拡大リスクは要注意だが、株高の持続性をみる上では大手ハイテク株決算が重要に
S&P500とナスダックは、そろって3月30日に直近の終値ベースでの安値をつけ、上昇に転じています。4月15日までの騰落率は、それぞれ+10.7%、+15.5%でしたが、時価総額の大きいハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン(M7)」のうち、アルファベット、メタプラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアは同期間、20%を超えて上昇しています。
M7は総じて、3月以降も12カ月先予想1株あたり利益(EPS)が底堅く推移する一方、中東情勢悪化による株安で割高感が修正されたことから、株価は足元で反発、米国株回復のけん引役となっています。中東情勢について、紛争拡大のリスクには一定の注意を要するものの、この先、米国株高の持続性を考える上では、来週以降本格化するM7などハイテク株の企業決算の見極めが、より重要になってくると思われます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中東不安のなかS&P500とナスダック総合が過去最高値を更新した背景【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。
市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフマーケットストラテジスト
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