●中東情勢の見極めは必要だが戦闘終結は米・イランの現実的な選択肢で、市場もそれを認識か。
●26年度の会社予想はまずまず良好な内容、また日本株全体で過熱感はそれほど高まっていない。
●弊社は日経平均の年末予想を68,100円に設定、各四半期の予想レンジ上限は70,000円超。
中東情勢の見極めは必要だが戦闘終結は米・イランの現実的な選択肢で、市場もそれを認識か
日経平均株価は5月25日、前週末比1,819円12銭(2.9%)高の65,158円19銭で取引を終え、節目の65,000円を突破し、終値ベースで史上最高値を更新しました。先週末に米ニュースサイトのアクシオスが米政府高官の話として、米国とイランが60日間の停戦延長を含む合意に近づいていると報じたことなどが好感され、この日は値がさの半導体関連株中心に買いが入り、日経平均を押し上げました。
今後の相場を展望する上では、まだ予断を許さない中東情勢の慎重な見極めは必要と思われます。ただ、米国は11月に中間選挙を控え、イランは国内経済が疲弊していることから、戦闘終結は両国にとって「現実的な選択肢」と考えられます。株式市場にもこの認識は広がっていると推測され、米国とイランの戦闘が再開・激化しない限り、合意にもう少し時間を要しても、それだけで株価が大きく下落する局面は脱しているとみています。
26年度の会社予想はまずまず良好な内容、また日本株全体で過熱感はそれほど高まっていない
企業業績に目を向けると、5月20日付レポートで解説した通り、2026年度の会社予想は、非製造業が中東情勢の影響に対し、より慎重な見方を示したものの、全体では「まずまず良好な内容」と判断されます。
市場では、決算発表前のやや楽観的な予想の修正が終了したとみられ(図表1)、今後、米国とイランが戦闘終結に向けた合意に至れば、会社予想の上方修正を先取りする形で市場予想に上方修正の動きが広がり、株価を支えると思われます。
日経平均については、このところの急速な上昇に、相場の過熱感を指摘する声も聞かれます。ただ、日本株全体でみた場合、例えば東証株価指数(TOPIX)の12カ月先予想株価収益率(PER)は直近で16.5倍と、S&P500種株価指数の21.1倍や、ナスダック総合株価指数の26.2倍に比べれば、割高感は相対的に小さく、それほど過熱感は高まっていないと判断されます。
弊社は日経平均の年末予想を68,100円に設定、各四半期の予想レンジ上限は70,000円超
弊社は5月19日時点で日経平均株価の見通しを上方修正し、2026年12月末の着地水準を68,100円に設定しました(図表2)。また、各四半期における予想レンジの上限は、いずれも70,000円超としています。この先、日経平均が65,000円台でまずはしっかりと足場を固め、ここに中東情勢の緊張緩和という要素も加われば、年内に70,000円に向けた動きが一段と明確になることも予想されます。
日本では、基調的な物価上昇が見込まれるなか、2026年の春闘で平均賃上げ率が3年連続で5%超となり、企業の資本効率改善の取り組みも続いています。また、年内予定のコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂に伴い、企業が現預金を成長投資などに活用すれば、ROE(自己資本収益率)の改善も見込まれ、6月公表予定の「骨太の方針」で成長投資への期待が高まれば、株価にとってさらに好環境が整うと思われます。
※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『6万5,000円突破で最高値を更新した日経平均株価の今後を展望する【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。
市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフマーケットストラテジスト
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