「あなたは出ていかなくていいの…」年金23万円・過保護気味の母と実家暮らし42年。〈貯金4,500万円〉を手に、月収26万円・次女が選んだ独立の理由

「あなたは出ていかなくていいの…」年金23万円・過保護気味の母と実家暮らし42年。〈貯金4,500万円〉を手に、月収26万円・次女が選んだ独立の理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

親と同居することで、生活費を抑えながら安定した暮らしを続ける人は少なくありません。特に経済的な不安がない場合、その環境をあえて変える理由を見出しにくいものです。一方で、長く続いた生活ほど見直すきっかけをつかみにくく、気づいたときには選択の幅が狭まっていることもあります。

「このままでは変われない」貯金を手に選んだ決断

転機となったのは、職場の同僚との何気ない会話でした。

 

「“実家暮らしって楽でいいよね”と言われて、なぜか引っかかってしまったんです。自分が止まっているように感じて」

 

その日、帰宅してから、直美さんは初めて真剣に自分の生活を見つめ直しました。

 

「お金はある。でも、それを使って何かを変えたことがない。そう気づいたとき、少し怖くなりました」

 

さらに、母との関係も無関係ではありませんでした。

 

「母がいる安心感と引き換えに、自分の選択をどこかで手放していたのかもしれません」

 

数日後、直美さんは母にこう切り出しました。

 

「一人暮らしをしてみようと思う」

 

すると母は、驚いた様子でこう返したといいます。

 

「どうして? ここにいればいいじゃない」

 

その言葉は、これまで何度も聞いてきたものでした。しかし、そのときは、受け止め方が違っていました。

 

「優しさでもあるんですが、同時に、私を外に出さない言葉でもあると感じてしまったんです」

 

話し合いはすぐにはまとまりませんでしたが、最終的に直美さんは、通勤圏内で小さな賃貸物件を契約しました。

 

「家賃は月8万円ほどです。正直、もったいないと思う気持ちもありました。でも、それでもやってみたいと思ったんです」

 

引っ越し当日、母は最後まで「本当に大丈夫なの」と繰り返していたといいます。

 

「不安はありました。でもそれ以上に、“やっと自分で決められた”という感覚がありました」

 

現在、直美さんは一人暮らしを始めて数ヵ月。生活費の管理や家事に戸惑うこともありますが、「自分で選んだ生活」を実感していると話します。

 

「もっと早く出ていれば、と思うこともあります。でも、今からでも遅くはないと思っています」

 

長く続いた生活を変えるのは簡単なことではありません。それでも直子さんはこれまでの生活を離れ、自分で暮らしを選ぶことにしました。

 

 

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