(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の生活設計において、「家族がいるから大丈夫」と考える人は少なくありません。特に子どもが安定した収入を得ている場合、その存在が心理的な支えになることもあります。総務省『家計調査(2025年)』によると、高齢単身無職世帯の可処分所得は月約11.8万円に対し、消費支出は月約14.8万円と、平均で赤字となっています。こうした状況の中で、他者に依存した前提は思わぬ形で崩れることもあります。

「あの子がいるから大丈夫」…息子を前提にした生活

智子さん(仮名・65歳)は、年金月8万円で一人暮らしをしています。夫は数年前に他界し、それ以降は年金とわずかな貯蓄を取り崩しながら暮らしてきました。

 

一般的に見れば、決して余裕のある水準ではありません。それでも智子さんは、周囲にこう話していたといいます。

 

「うちは大丈夫よ。息子がしっかりしてるから」

 

一人息子の哲也さん(仮名・38歳)は、都内の企業に勤める会社員。年収は約2,000万円と高く、独身で一人暮らしをしています。智子さんにとって、その存在は大きな安心材料でした。

 

「いざとなれば助けてもらえる、という気持ちは正直ありました。本人に明確に頼んだことはなかったんですが、どこかでそう思っていたんです」

 

実際これまでに数回、急な出費があった際には哲也さんが負担してくれたこともありました。家電の買い替えや医療費など、「困ったときには助けてもらえる」という経験が、智子さんの中で“前提”になっていったといいます。

 

そのため、自分の生活を厳しく見直すことはありませんでした。

 

「節約はしていましたが、“どうしても足りないときは頼れる”という感覚があったので、そこまで追い込むことはなかったんです」

 

転機となったのは、ある日の何気ない会話でした。

 

久しぶりに帰省した哲也さんと、将来の話になったときのことです。智子さんは軽い気持ちで言いました。

 

「老後のことは、あんたがいるから安心してるのよ」

 

すると哲也さんは、少し間を置いてから、こう返したといいます。

 

「それ、ずっと続くと思ってる?」

 

その言葉に、智子さんは一瞬、意味が分からなかったといいます。

 

「え?と思いました。否定されると思っていなかったので」

 

哲也さんは続けて、自分の考えを静かに話しました。

 

「今は収入もあるし余裕もあるけど、この先どうなるか分からない。結婚するかもしれないし、仕事だってずっと同じとは限らない。全部を背負う前提で考えられると、正直きつい」

 

智子さんは、その言葉を聞いて凍りついたといいます。

 

「“助ける気がない”という意味ではないのは分かりました。でも“前提にしないでほしい”とはっきり言われた気がして……」

 

それまで当然のように思っていた安心が、一気に崩れた瞬間でした。

 

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