(※写真はイメージです/PIXTA)

まとまった相続財産を受け取ったとき、その使い道に悩む人は少なくありません。貯蓄に回すべきか、将来に備えるべきか、それとも「今」を楽しむために使うべきか――。金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査(2023年)』によれば、60歳代・単身世帯の金融資産保有額(平均値)は1,468万円ですが、その内訳や使い方は人によって大きく異なります。特に相続によって得た資産は、「自分で築いたお金ではない」という意識から、使い方に迷いが生じやすいとも言われています。

相続後に揺れるお金の使い道

「これが最後の楽しみだと思っていたんです」

 

そう話すのは、恵理子さん(仮名・63歳)です。夫を数年前に亡くし、一人暮らしを続けていました。年金は月13万円ほど。生活は決して余裕があるわけではありませんでしたが、慎ましく暮らしていました。

 

転機となったのは、実家の相続でした。親が亡くなり、現金や預貯金など合わせて約1,000万円を受け取ることになったのです。

 

「こんなにまとまったお金を持つのは初めてでした」

 

最初は、そのまま貯金しておこうと考えていたといいます。しかし同時に、ある思いも芽生えていました。

 

「このまま何も使わずに終わるのは、もったいないんじゃないか、と」

 

夫との生前、旅行に行く機会はほとんどありませんでした。仕事や生活に追われ、「いつか行けたらいいね」と話しているうちに、時間が過ぎていったといいます。

 

そんな中で目にしたのが、海外クルーズの広告でした。

 

「非日常の世界でした。船で何日も旅をするなんて、自分には縁がないと思っていたので」

 

費用は約800万円。決して安くはありません。それでも恵理子さんは、「これが最後の贅沢かもしれない」と考え、申し込むことを決めました。

 

「老後のために残しておくべきかも迷いました。でも、“今しかできないこと”を選びました」

 

クルーズは、想像以上の体験だったといいます。豪華な食事、各地の寄港地、船上での時間。日常とはまったく異なる世界に身を置くことで、気持ちが大きく変わったと振り返ります。

 

「楽しかったです。本当に。あの時間だけは、何も考えずにいられました」

 

 \4月14日(火)ライブ配信/
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