企業は慌ててAIに飛びつくな…導入前に「組織運営の基礎」を固めるべき納得の理由

企業は慌ててAIに飛びつくな…導入前に「組織運営の基礎」を固めるべき納得の理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

AIを導入すれば自動的に業務が改善される――そう考える方もいるかもしれませんが、実際には組織運営の「基礎」がなければ、その効果は限定的なものにとどまったり、かえって混乱を招く可能性もあります。本記事は、株式会社ブレインワークスの代表取締役である近藤昇氏による著書『人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、AI時代に組織の基礎力が求められる理由を解説します。

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便利なツールほど組織を迷走させる

土台ができていなければ、便利なツールほど組織を迷走させます。その典型例が40年近く前に登場し、今でも多くの人が便利に使っている表計算ソフトの導入期にありました。

 

1980年代の半ばにNECのPC‐9800シリーズなどのMS‐DOSパソコンが普及し始め、ワープロソフトは一太郎、表計算ソフトはLotus1-2-3が使われて、パソコンが徐々に会社業務のなかに広がりました。

 

表計算ソフトの登場はさまざまなオフィス業務を一気に効率化するものでしたが、このLotus1-2-3に代わるものとしてマイクロソフトが開発したのがExcelでした。OSのWindowsとExcelの2つの開発で、マイクロソフトは存在感を増していきます。

 

Excelは、1995年にWindows95が世界で大きなシェアを獲得したときには、プリインストールされたマイクロソフトオフィスにWordとともに搭載され、爆発的に普及していきました。

 

Excelの登場は、今のAI以上といえるほど衝撃的なものでした。データの入力や整理、グラフによる表示、簡単な四則計算はもちろん、ビジネスでしばしば使う複雑な計算や統計処理などが効率的にできる関数が豊富に用意され、長期にわたって第一線で活用され続けていきます。マクロや高度な関数を駆使できる人はごく一部ですが、多くの人が「Excelは知っている」「簡単な表やグラフはつくれる」と言うでしょう。

 

しかしExcelは、多くの弊害も引き起こしてきました。誰でも手軽に使えることから、同じ企業のさまざまな部門でばらばらに利用されたことで、わずかに設計が異なるExcelの書類があちこちでつくられたのです。

 

人の手に渡るごとに少しずつ変更されて、どれがベースのものか分からなくなったり、引き継いだ人が入力の仕方を間違えて前任者がつくった関数を壊してしまったり、といったことが続出したのです。

 

誰がなんのために、どの業務で使うのか、そのためにどういう設計がふさわしいのかという組織的な検討がなされないまま、現場任せで利用が進んでしまったからです。似ているけれども少しずつ違うExcelの書類が広がり、かえって業務効率化の妨げになってしまいました。

 

AIはExcelに比べようもないほど高度で多彩な機能を持っています。誰が何に使うのかということを明確にしておかなければ、Excelと同じ混乱を招きかねません。

 

 

次ページAI時代の経営に必要な力

※本連載は、近藤昇氏による著書『人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI

人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI

近藤 昇

幻冬舎メディアコンサルティング

AIの活用で直感と経験だけの経営を変える AI時代に必要なのは、将来を見据えた企業のあり方を探ること。 「人間にしかできないこと」と「AIにしかできないこと」を知り、その境界線を見極めることが企業の成長のカギとなる…

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