職人技や勘をみんなで共有!?…企業の知的資産をマニュアル化するAIの力

職人技や勘をみんなで共有!?…企業の知的資産をマニュアル化するAIの力
(※写真はイメージです/PIXTA)

これまで中小企業の競争力を支えてきた「職人の勘」や「職人技」といった「暗黙知」は、共有や継承が難しく、属人化のリスクを抱えています。しかしAIの進化によって、それらをマニュアル化することも現実のものとなっています。本記事は、株式会社ブレインワークスの代表取締役である近藤昇氏による著書『人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、職人の「暗黙知」を「形式知」に変える、AIの可能性について解説します。

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知的資産経営が始まる

検索や文章の要約など、従来は考えられなかったスピードでAI技術が生活に浸透してきています。しかし、IT業界に40年以上身を置いてきた私からすると、どうしても過去の「バズワード化の歴史」が頭をよぎります。

 

似たような現象は何度も繰り返されてきました。1980年代半ば以降のOA(オフィスオートメーション)化、90年代のインターネットブーム、2000年代のクラウド、IoT、ビッグデータ、そしてDXと、業界は何度も流行語に踊らされ、実態と乖離した期待や失望が繰り返されてきたのです。

 

そして今、AIです。同じことがまた繰り返されるのではないかという危惧の念は消えません。流行語に踊らされて終わらないようにするためには「本物のAIとは何か」を見極める力が必要です。

 

「AIの活用で業務効率が3倍に」とか「AIで営業自動化」「AIで人材育成」といったコピーは、マーケティング的には魅力的かもしれませんが、その多くは実態以上の誇張や期待先行のものです。言葉に踊らされて導入したものの、使いこなせず形骸化する──そうしたケースもすでに出始めています。

 

では、何が本物のAI活用であり、記録の時代の経営なのか。それは、単なる作業代行や効率化にとどまらず、経営の根幹に影響を及ぼす変革力を持った活用です。具体的には、「暗黙知の形式知化」や「属人化された知恵の継承」、「自社の本質的な強みの可視化と再構築」など、企業の知的資産そのものを強化するための活用です。

 

出所:『人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI』(幻冬舎メディアコンサルティング)より抜粋
[図表]知的資産経営による無形資産の再構成 出所:『人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI』(幻冬舎メディアコンサルティング)より抜粋

 

私はAIとは、知的資産経営を加速させるための最強の補助輪になるものだと考えています。知的資産経営とは、人・組織・技術・顧客との関係性といった、財務諸表に表れない価値(知的資産)を可視化し、活用して次世代に継承していく経営です。

 

AIの進化によって、今まで属人的にしか扱えなかった経験・知識・ノウハウが記録・再構成され、組織の力として活かされる時代になりました。AIを使うことで、経営の土台となる無形資産が武器になる時代に入ったのです。

 

 

次ページ職人の「暗黙知」を「形式知」に変える

※本連載は、近藤昇氏による著書『人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI

人間がしたいこと×AIができること 中小企業が知るべき本当のAI

近藤 昇

幻冬舎メディアコンサルティング

AIの活用で直感と経験だけの経営を変える AI時代に必要なのは、将来を見据えた企業のあり方を探ること。 「人間にしかできないこと」と「AIにしかできないこと」を知り、その境界線を見極めることが企業の成長のカギとなる…

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