株式投資におけるリターンの源泉は「配当」だけではありません。企業がビジネスを通じて利益を稼ぎ出し、時間とともに価値を創造し続ける限り、株式の所有者は恩恵を受け続けることができます。本記事では、広木隆氏の著書『株はずっと上がるもの 誰も書けなかった株式投資の真実』(日経BP)から一部編集・抜粋し、投資の神様バフェット氏の言葉とともに、株式投資が「プラスサム・ゲーム」となる論理的な理由を解説します。
暗号資産や転売とは違う…企業が「価値を創造」する意味
ここに核心があります。「企業は時間とともに価値を創造し、それは所有者に帰属する」という点です。
僕がゼロサム・ゲームの典型として挙げたものは、アイドルのブロマイドやコンサートチケットの転売、暗号資産(仮想通貨)や絵画・骨董など美術品の取引でした。これらは何も生み出しません。
それに対して企業はビジネスを行い、利益(またはCF)を稼ぎ出します。その企業が稼いだ利益(またはCF)は株式の所有者である株主の手に渡るのです。
市場にCさん、Dさん、Eさんの3人の投資家がいるとします。Yという企業の株式を各自が1年間保有したのち、Y社の株式がCさん→Dさん→Eさんへと転々と譲渡されていくことを考えます。
Y社の株価は1,000円のままで変わりませんが、Y社は毎年100円の配当を払います。株価は値上がりも値下がりもせず1,000円のままなのでCさん、Dさん、Eさんによる売買の損益はプラスもマイナスもなくゼロですが、3人の手元には100円ずつ配当で受け取った現金が残ります。
売買はゼロサムですが、配当を考えるとプラスサムです。
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト
1963年東京生まれ。上智大学外国語学部卒業。神戸大学大学院・経済学研究科・博士後期課程修了。
博士(経済学)。日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、社会構想大学院大学教授。
大手証券会社、銀行系投資顧問、外資系運用会社など様々な金融機関でファンドマネージャー、ストラテジスト等を歴任。40年にわたって証券市場の最前線で働く。
好きな言葉はロベルト・バッジョの「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気のある者だけだ」。予想を外すかもしれない不安と戦いながら、今日もマーケットという名のピッチに立ち続ける。
テレビ・ラジオのコメンテーターとしてメディアで活躍するほか、著書、論文、寄稿など多数。
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