「これ以上お金は出せない」――息子に突き付けた現実
これまで、学費や仕送りについて「大変だ」と口にしたことはありませんでした。親として当然の責任だと思い、あえて伝えてこなかったのです。しかし、それが裏目に出たのかもしれないと、松本さんは後悔しました。
一晩考えた末、改めて息子に電話をかけました。そして、家計の状況を初めて具体的に伝えたといいます。
「これ以上は出せない。院に行きたいなら、自分でなんとかする方法を考えなさい。本当にやりたいことなら、苦労してでもやる価値があるはずだろう。そこまで覚悟があるのか、ちゃんと考えてほしい」
そもそも、地元ではなく東京の大学を希望したのも息子自身で、4年間奨学金を借りていました。院でも奨学金を借りるなら、返済はさらに重くなります。仕送りの打ち切りで、今以上にアルバイトも頑張らなければならなりません。それでも、やっていきたいのかーー?
結局、息子は悩んだ末に就職を選びました。その後、「率直に言ってくれてよかった、自分には覚悟はなかったと気づいた」と告げられ、松本さんは胸をなでおろしたと言います。
