(※写真はイメージです/PIXTA)

相続対策として孫への生前贈与を選ぶ人は少なくありません。国税庁によると、令和6年分の贈与税の申告人員は47万人、申告納税額は3,935億円にのぼりました。暦年課税では1年間に受けた贈与の合計額から基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算しますが、毎年同額を渡していても、最初から数年分を約束していた場合は別の扱いになることがあります。

書面があっても認められない…税務署が見た“形式より実態”

しかし国税庁は、毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与を受けることが贈与者との間で契約・約束されている場合には、その約束をした年に「定期金給付契約に関する権利」の贈与を受けたものとして贈与税がかかる、と明示しています。

 

つまり、各年に自由な判断で贈与したのではなく、最初から“6年間・毎年110万円”というパッケージで約束していたと認定されれば、暦年贈与とは扱われにくいのです。

 

さらに、孫名義の口座の通帳と印鑑を実際には節子さん側が管理していたことも、問題を複雑にしました。国税庁は、扶養義務者からの生活費や教育費であっても、必要な都度直接使うためのものでなければ非課税にはならず、預金されたままなら贈与税の対象になり得るとしています。今回のケースは教育資金の一括贈与特例を使っていたわけでもなく、孫本人が自由に管理していたとも言い切れませんでした。

 

数ヵ月後、税務署からの結論は厳しいものでした。

 

「残念ですが、これは各年の独立した贈与とは認められません」

 

節子さんは、その文言を見た瞬間、膝の力が抜けたといいます。

 

「書面まで作っていたのに、どうして……という気持ちでした」

 

書面があっても安心できない…追徴課税につながった“決定的なポイント”

 

税務署が重く見たのは、「契約書があったかどうか」よりも、「実際にどんな約束が成立していたのか」でした。毎年同じ時期に、同じ金額を、同じ口座へ振り込む。しかも開始時点で6年分の予定が家族内で共有されていた。こうした事情が重なると、形式上は年ごとの契約書があっても、実質は最初の年にまとまった贈与の約束が成立していた、と判断されやすくなります。

 

「毎年その年になってから、“今年も渡そうか”と決めていれば違ったのかもしれません。でも、私は最初から6年続けるつもりでした。そこを見られたんだと思います」

 

結果として、節子さんには贈与税の本税に加え、加算税や延滞税の負担も生じる見込みだと説明されました。相続対策のつもりで始めたことが、かえって余計な税負担を招く形になったのです。

 

「節税しているつもりだったのに、逆でした。孫のために残したいと思っていたお金が、税金で削られるのが本当に悔しかった」

 

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