(※写真はイメージです/PIXTA)

孫の帰省や長期滞在は、多くの祖父母にとって楽しみのひとつです。一方で、食事の準備や洗濯、送迎、光熱費の増加など、短期間でも生活への影響は小さくありません。内閣府『令和7年版 高齢社会白書』では、65歳以上の者がいる世帯は全世帯の49.5%を占め、夫婦のみの世帯と単独世帯がそれぞれ約3割に達しています。家族との再会が喜びである一方、体力や家計に思わぬ負担を残すこともあります。

善意が続かなくなる前に…祖母が選んだ“無理をしない関わり方”

厚生労働省『2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況』では、児童のいる世帯のうち生活意識を「苦しい」とする割合は64.3%にのぼっています。子育て世帯が親世代の手を借りたくなる背景には、共働きの定着や教育費、物価上昇などによる家計と時間の圧迫があります。祖父母側の負担感だけでなく、頼る側にも事情があるため、遠慮が生まれにくいこともあります。

 

「娘が大変なのは分かるんです。だからこそ、何でも引き受ける形を続けたら、お互いによくない気がしました」

 

話し合いの結果、夏休みは「3泊4日くらいにする」、長く預かる場合は途中で娘が迎えに来る日をつくる、食費やレジャー費は一部を娘夫婦が負担する、という形に見直すことになりました。

 

「言ってみたら、娘も“気づかなくてごめん”と言ってくれて。少しほっとしました」

 

高齢期の家計や体力は、本人たちが思っている以上に繊細です。にぎやかな時間はかけがえのない思い出になりますが、その一方で、普段とは違う生活が続けば、疲労も支出も確実に積み重なります。

 

「また来てねとは思います。本当にそうなんです。でも、“何日でも大丈夫”ではない。その違いを、自分でもちゃんと言葉にしないといけなかったんだと思います」

 

孫をかわいいと思う気持ちと、自分たちの暮らしを守りたい気持ち。そのどちらかを否定する必要はありません。必要なのは、無理を美談にしないことなのかもしれません。

 

「来てくれるのはうれしい。でも、こっちももう若くはないのよ」

 

その本音は、少し寂しく、けれどとても現実的でした。

 

 

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