今回は、相続トラブルの原因になりやすい「不動産」について見ていきます。※本連載は、相続専門の弁護士である大竹夏夫氏の著書、『老活弁護士®が教えます!わかりやすい遺言書の書き方』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、いわゆる「争族」を防ぐための遺言書活用の留意点を見ていきます。

遺産分割協議がきっかけで、兄弟姉妹が不仲に!?

相続人が2人以上いる場合は、遺産の分け方について、誰が何を相続するのかを話し合って決めなければいけません。しかし、それが簡単ではありません。よくもめます。仲が良かった兄弟姉妹が、この話合いをきっかけに仲が悪くなる、絶縁状態にまでなることがあります。

 

よくいう「相続争い」は、この遺産分割協議がなかなかまとまらない、もめる、感情的になることを表しています。

建物を「兄と弟でハンブンコ」するのは難しい

なぜ、もめるのでしょうか?

 

相続でもめる原因のひとつが不動産です。不動産は、分けるのが難しい。建物は半分で割って、兄と弟でハンブンコというわけにいきません。土地は分筆すれば半分に分けることも可能ですが、面積が減って価値も下がります。相続人のうち誰か1人が相続すればよいのですが、そこで意見が分かれます。

 

たとえば、亡くなった父と長年同居していた長男がそのまま実家(土地と建物)を相続して住み続けたいと思うのが普通ですが、次男も実家がほしいと言い出したら・・・。

 

仮に、長男が実家を相続することで相続人全員が同意しても、今度は実家の評価でもめます。その土地と建物がいくらなのかによって、他の相続人の取り分(金額)が変わるからです。

本連載は、2016年6月29日刊行の書籍『老活弁護士が教えます!わかりやすい遺言書の書き方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

老活弁護士®が教えます! わかりやすい遺言書の書き方

老活弁護士®が教えます! わかりやすい遺言書の書き方

大竹 夏夫

週刊住宅新聞社

「老活」は、「老後に備える準備活動」です。「老活」のなかでも、とても重要なのが「遺言書の作成」です。 自分が残す財産やその他のことを死ぬ前に決めておく。これは実は当たり前のことだと思うのです。 残された人のため…

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