負債のほうが多い場合は「相続の放棄」という手も
ところで、相続するものには、プラスの財産だけではなく、マイナスの財産、つまり負債もあります。借金も相続してしまうのです。プラスの財産が多ければ、そこから負債を精算して、残りを相続することができます。ですが、負債のほうが多かったら、どうしたら良いでしょうか?
このようなときは、「相続の放棄」をすることができます。相続の放棄をすると、その人は相続人ではなかったことになります。それを前提に、改めて第1回の連載で述べたルールにしたがって、誰がどの割合の相続分をもつのか決まります。
「相続放棄の申述」の手続きには2か月必要
相続の放棄には、手続や制限があります。単に「自分はいらない」と言えばよいわけではありません。家庭裁判所に「相続放棄の申述」という手続をしないといけません。難しくはありませんが、所定の書類を書いて、戸籍謄本を添えて、印紙を貼って裁判所に提出する必要があります。その後、裁判所の審査があります。手続が完了するまでおおよそ2か月かかります。
注意しなければいけないのは、相続放棄は、亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申請しなければいけないことです。この期限を過ぎてしまうと、負債を引き継いで返済しなければいけません。