今回は、前妻との間の子どもや隠し子がいる場合の相続について見ていきます。※本連載は、相続専門の弁護士である大竹夏夫氏の著書、『老活弁護士®が教えます!わかりやすい遺言書の書き方』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、いわゆる「争族」を防ぐための遺言書活用の留意点を見ていきます。

前妻との子どもにも相続は発生する

前妻との間に子どもがいる場合、離婚した前妻は相続人になりませんが、その子どもは、相続人になります。相続分も同じです。

 

下の図のケースですと、子どもは3人ですから、相続分は、現在の妻が2分の1、子どもたちはそれぞれ6分の1ずつになります。

 

 

前妻の子とお付き合いがないという方もいらっしゃいます。なかには前妻の子と全く連絡をとっていなかったという方もいます。現在の妻や子どもたちにとって、前妻の子どもとの間で、遺産の分け方を話し合わなくてはいけません。話しにくいのは明らかです。

 

前妻の子どもにとっても複雑な気持ちです。今まで父親に何もしてもらえなかった、せめて遺産はもらっておきたいと思うことも多いようです。このようなケースでは、遺言書を書いておいて、妻や子どもたち、前妻の子どもが話し合わなくて済むようにしておくことが大切です。

隠し子がいる場合、遺言書の作成は必須

前妻の子であればまだよいのですが、結婚していない女性との間に子どもがいる、しかも妻や子どもたちには内緒にしているというケースでは、問題が大きくなります。

 

亡くなった夫の相続人の調査を奥さんから頼まれて調べてみたところ、知らない女性との間に子どもがいたことが判明した、というケースがあります。

 

このようなケースでは、遺産分割の話合いや手続が難しくなります。その子が何を言ってくるかわかりません。「遺産はいらないけれども、自分には関係がない」と言って、実印と印鑑証明書を出してくれないという場合もあります。このようなケース、思い当たるようでしたら、必ず遺言書を作っておきましょう。

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    本連載は、2016年6月29日刊行の書籍『老活弁護士が教えます!わかりやすい遺言書の書き方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    老活弁護士®が教えます! わかりやすい遺言書の書き方

    老活弁護士®が教えます! わかりやすい遺言書の書き方

    大竹 夏夫

    週刊住宅新聞社

    「老活」は、「老後に備える準備活動」です。「老活」のなかでも、とても重要なのが「遺言書の作成」です。 自分が残す財産やその他のことを死ぬ前に決めておく。これは実は当たり前のことだと思うのです。 残された人のため…

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