「安心のため」気づけば増えていた保険料
「全部必要なんだと思っていました」
そう話すのは、地方に住む佐藤さん夫妻(仮名・40代)です。夫は会社員、妻はパート勤務で、世帯年収は約660万円。子どもが生まれたのをきっかけに、保険の見直しをしようと考え、近所の保険ショップを訪れたのがすべての始まりでした。
「最初は医療保険と死亡保険だけのつもりだったんです。でも、“これもあった方がいい”“将来安心ですよ”って説明されて…」
勧められるままに契約したのは、医療保険、がん保険、収入保障保険、学資保険、さらには外貨建ての貯蓄型保険など、複数の商品でした。当時は、「家族のため」「将来のため」という思いが強く、疑問を持つことはなかったといいます。
「プロが言うなら間違いないと思っていましたし、何より“安心を買っている”感覚でした」
その後も、数年おきに「見直し」の案内が届き、そのたびに保険ショップへ足を運びました。
「古いプランは今の時代に合っていない」「もっといい商品が出ている」と説明され、既存の契約を解約し、新しい保険へと乗り換えていったのです。
しかし、そのたびに発生していたのが、解約による元本割れや新規契約時の初期コストでした。
「当時は“より良いものに変えている”つもりでした。でも、後から考えると、ただ乗り換えていただけだったんです」
気づけば、毎月の保険料は合計で5万円近くにまで膨らんでいました。
転機は、家計の見直しをきっかけに、第三者のファイナンシャルプランナーへ相談したことでした。
「今の保険、本当に必要ですか?」
そう言われ、初めて契約内容を一つひとつ確認していくことになります。
すると、重複した保障や、現在の家計に対して過剰な保障額がいくつも見つかりました。さらに、過去の解約履歴をさかのぼると、解約返戻金が払い込んだ保険料を大きく下回っていたケースも複数あったといいます。
「その場で、“かなり無駄な支出が出ていますね”と言われて…」
払い込んだ保険料と解約返戻金の差額や、乗り換え時の元本割れなどを含めると、約340万円の損失になっていたと試算されました。
「正直、ショックでした。“安心のため”に払ってきたつもりが、結果的に家計を圧迫していたなんて」
