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トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か――税制が映し出すアメリカの真実
奥村眞吾(著)+ゴールドオンライン(編集)
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国外資産を持つ人は要注意…6月30日〆切の“もう1つの義務”
確定申告が終わったからといって、すべての税務手続きが完了したわけではありません。国外に多額の資産を保有する場合には、6月30日までに「国外財産調書」の提出義務が課されており、これを怠るとペナルティの対象となる可能性があります。
かつては、海外にある日本人の資産は簡単には把握できないものでした。しかし、それはすでに過去の話です。現在では、ある意味簡単に把握される時代になりつつあります。その背景にあるのが、CRS(Common Reporting Standard)による情報交換です。
国税庁が公表した「各国との情報交換事績」によると、日本人が海外に保有する個人口座は約272万件、金額にして9兆6,000億円にのぼるとされています。
しかし、これは氷山の一角に過ぎないと考えられます。これらの口座は日本のパスポートを提示して開設されたものに限られており、パスポートを提示せずに開設された口座は対象外です。また、この情報交換には米国が含まれていない点にも注意が必要です。
スイスからアジア、そしてタックスヘイブンへ
かつて、海外隠し預金の代表格といえばスイスでしたが、オバマ政権下で金融の透明性が大きく進み、現在では世界でも屈指の透明性を持つ金融市場へと変わりました。
その結果、一部の資産家は資産の移転先をシンガポールや香港、さらにはケイマン諸島やパナマといったタックスヘイブンへと移してきました。しかし、これらの地域においてもCRSによる情報捕捉が進んでいます。
その後、米国のデラウェア州やネバダ州へ資産を移す動きも見られましたが、シンガポールや香港ほど容易に金融口座を開設できるわけではなく、完全な逃避先とは言い難い状況です。

