「孫と暮らせるなんて夢みたい!」喜びいっぱいの夫婦
佐藤一雄さん(仮名・69歳)は、地方のメーカー企業を定年退職後、企業年金と厚生年金で月額26万円ほどを受け取り、妻の志保さん(67歳)と平穏に暮らしていました。当時、一雄さん夫婦の最大の癒やしは、車で30分ほどの場所に住む一人娘の美香さん(37歳)一家でした。
美香さん夫婦はたびたび2人の孫(小学校5年生の女の子、2年生の男の子)を連れて遊びに来てくれ、みんなで食卓を囲むのが恒例行事。娘婿ともお酒を酌み交わすほど仲が良く、周囲からは「本当に理想的な家族」と羨ましがられていたのです。
そんな美香さんは、家を買うことを悩んでいました。
「いつまでも姉弟で同じ部屋はダメよね。でも、買いたくても高すぎて手が届かないの」
ちょうど一雄さんの自宅も築35年を過ぎ、ガタがきていた頃でした。
「孫の成長を見守れるし、これだけ仲が良いんだから、一緒に暮らせばもっと楽しいはず」
そう確信した一雄さん夫妻は、今の家を解体し、総額5,500万円の二世帯住宅を建て直す決断をしました。一雄さんは老後資金から2,500万円を負担し、残りの3,000万円は娘婿が住宅ローンを組みました。土地代がかからず、広い家が手に入ると、娘夫婦も大喜びでした。
設計にあたり、建築会社からは玄関や水回りをすべて分ける「分離型」も提案されました。しかし、分離型にすると建築費が1,000万円以上跳ね上がってしまうことが判明。「うちはこれだけ仲が良いんだから、わざわざ高いお金を払って他人みたいに分ける必要はない」と、設備を共有する「融合型」を選んだのです。
しかし、その選択は結果的に大きな間違いでした。

