今回は、配偶者あり、子どもなしというケースの法定相続人を見ていきます。※本連載は、相続専門の弁護士である大竹夏夫氏の著書、『老活弁護士®が教えます!わかりやすい遺言書の書き方』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、いわゆる「争族」を防ぐための遺言書活用の留意点を見ていきます。

被相続人の親が存命なら、その親も相続人

前回の続きです。

 

<妻・夫と親がいる場合>

亡くなった方に、妻または夫がいるけれども子どもがいない場合、亡くなった方の親が生きていれば、その親が相続人になります。

 

この場合の相続分は、妻・夫が3分の2、親が3分の1です。子どもがいるときよりも、妻・夫の割合が増えていますね。父と母の2人とも生きていれば、子どものときと同じように、親の3分の1を2人で分けます。

 

被相続人の兄弟姉妹も相続人に

<妻・夫と兄弟姉妹>

亡くなった方に、妻または夫がいるけれども、子どもがいなくて両親も他界している場合、相続人は妻または夫だけでしょうか?

 

妻や夫が相続人になるのは、誰でも知っています。しかしこの場合、亡くなった方の兄弟姉妹も相続人になることは、意外に知られていません。

 

ほとんどの財産が夫名義になっていたご夫婦で、その夫が亡くなったときに、妻はてっきり夫の遺産はすべて自分のものになると思っていた、しかし、後から夫の兄弟姉妹も相続人になると知って路頭に迷ってしまう、というケースが少なくありません。

 

この場合の相続分は、妻・夫が4分の3、兄弟姉妹が4分の1です。兄弟姉妹が2人以上いるときは、この4分の1を均等に分けます。たとえば、兄と妹がいる場合は2人ですから、8分の1ずつになります。

 

本連載は、2016年6月29日刊行の書籍『老活弁護士が教えます!わかりやすい遺言書の書き方』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

老活弁護士®が教えます! わかりやすい遺言書の書き方

老活弁護士®が教えます! わかりやすい遺言書の書き方

大竹 夏夫

週刊住宅新聞社

「老活」は、「老後に備える準備活動」です。「老活」のなかでも、とても重要なのが「遺言書の作成」です。 自分が残す財産やその他のことを死ぬ前に決めておく。これは実は当たり前のことだと思うのです。 残された人のため…

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