(※写真はイメージです/PIXTA)

約30年続いたデフレの時代が終わり、日本は本格的にインフレの時代に突入している。金利上昇を理由にマイホームの購入をためらう人も少なくない。こうしたなか、富裕層はいつの時代でも変わらない「行動規範」を頼りに、確実に資産を増やし続けているという――。『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)より、著者の資産37億円を築いた不動産投資家・小林大祐氏が「金利上昇」が我々にもたらす影響と「手元資金」の重要性を紐解く。

日本の住宅ローンに組み込まれている2つの「安全装置」

また、「住宅ローンの金利が上がるので、マイホームが買えなくなる」という意見もあるが、そもそも日本の住宅ローン金利は世界的に見ても異常なほど低い。アメリカの6.3%と比べれば、属性が良ければ1%以下で借りられる日本の住宅ローン金利など「ゼロ」と言ってもいい水準だ。

 

それなのに「金利が上がった、無理だ、怖い」などと言って住宅購入に二の足を踏むのは、完全に情報弱者の発想だ。

 

出典:FRED(Federal Reserve Economic Data)
[図表]日米10年国債利回りの推移(2015年~直近、月次) 出典:FRED(Federal Reserve Economic Data)

 

自身の年収や預金というリスク許容度、すなわち、自身の身の丈に合った額ということが前提とはなるが、日本の住宅ローンは金利が極めて低いだけでなく、築年数がどんなに古くても35年という長いローンを組めるし、団信(団体信用生命保険の略。住宅ローン契約者が死亡または高度障害になった場合に、ローン残高を保険でカバーする保険のこと)までついている。

 

さらには、仮に金利が上昇したとしても、家計が短期間で破綻しないよう、複数の安全装置が制度としてあらかじめ組み込まれている点も、日本の住宅ローンの大きな特徴だ。

 

しかもこれは、他国には殆ど見られない日本独自の制度設計であり、住宅取得者は実は極めて優遇されていると言っていい。その代表例が、いわゆる「5年ルール」と「125%ルール」である。

 

日本の住宅ローンは、借り手側が手厚く守られている「世界レベルで有利な仕組み」

 
 

変動金利型・元利均等返済の住宅ローンでは、市場金利が上昇したとしても、毎月の返済額はすぐには変わらず、5年間は据え置かれる。これが「5年ルール」だ。欧米諸国のように、金利上昇が即座に返済額へ反映される仕組みとは異なり、日本では借り手が急激な負担増に直面しないよう、時間的な猶予が与えられている。

 

さらに、5年後に返済額が見直される際も、新しい返済額はそれまでの返済額の1.25倍、すなわち25%増までに制限される。これが「125%ルール」である。仮に金利が大きく上昇していた場合でも、返済額が一気に跳ね上がることはなく、段階的に調整される仕組みになっている。

 

これらのルールはいずれも、金利上昇局面において家計が突然立ち行かなくなる事態を防ぐためのものであり、日本の住宅ローンに特有の「激変緩和措置」と言える。長期・低金利を前提とした住宅政策と相まって、借り手側が極めて手厚く守られている制度であり、日本の住宅ローンが世界的に見ても異例なほど優遇された仕組みであることを、正しく認識しておく必要がある。

 

お金がないとか金利が上がったと嘆くより、世界レベルで有利な仕組みを戦略的に活用するほうが圧倒的に賢い。

 

 

小林 大祐

不動産投資家

 

 

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※本連載は、小林大祐氏の著書『2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略

2035年 増える富・消える富の見分け方 インフレ地獄を生き抜く資産戦略

小林 大祐

KADOKAWA

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