今回は、「定期借家契約では客付けができない」という誤解について見ていきます。※本連載は、株式会社リーシングジャパン代表取締役、沖野元氏、不動産コンサルタント、林浩一氏の共著『賃貸の新しい夜明け』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、定期借家契約のメリットと定期借家契約を実際に活用する際のポイントを紹介します。

定期借家契約で満室を維持する大家さんは実在する

ここでは、定期借家契約にまつわる誤解を主な3つに絞って、それらのどこが誤解なのかを解説し、その誤解についての対処法を示します。

 

①定期借家契約にするとお客が付かない

 

これは誤解というよりは間違いであると断言できます。これは本書『賃貸の新しい夜明け』の第8章の座談会に登場されるストーンズの細山社長もきっぱりと主張されていました。ストーンズさんでは、管理物件の99%を定期借家契約で行っています。お客が付かなければ、それこそ会社の死活問題になるでしょう。それを定期借家制度が施行されてから15年間も続けていらっしゃるのです。また、共著者の林浩一さんも、毎回定期借家契約で入居者募集して、満室にしています。

 

 

定期借家契約でお客が付かないというのは、定期借家契約の本質を本当の意味で理解していない不動産業者の言葉です。大家さんもそれに感化されて同じ意見を言われる方がいます。現に私の周りには定期借家契約で満室を維持する大家さんたちがいるのです。お客が付かないという人たちはそのことをどう説明するのでしょうか。

対応してくれる不動産業者を根気よく探す

<この誤解への対処法>

現実問題として、大家さんがいくら定期借家契約をしたいと希望しても、窓口となる不動産業者に拒否されるとできません。では、どう対処するのかということですが、これは対応してくれる不動産業者を根気よく探して回るしか方法はないということになります。

 

ポイントは、物件の最寄り駅だけでなく、ターミナル駅も含めて回ってみることです。徐々にではありますが、定期借家契約でも募集をしてくれる不動産業者は増えてきていますので、あきらめずに動いてみてください。

 

次回は、定期借家契約にまつわる2つ目の誤解を見ていきます。

本連載は、2015年8月刊行の書籍『賃貸の新しい夜明け』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

賃貸の新しい夜明け

賃貸の新しい夜明け

沖野 元,林 浩一

週刊住宅新聞社

長らく旧態依然としていたこの不動産業界にも、大きな波が来ています。人々のライフスタイルの変化による波が、住まい方の変化にも及んできています。 こうした時代の変化に、不動産業者も大家さんもついていくしかありません…

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